第7回 Petersham Nurseries(ピーターシャム・ナーセリーズ)
January 2012
ガーデンデザイナー、吉谷桂子さんが英国滞在経験で得たイギリスのガーデンの魅力とライフスタイルをご紹介します。
ぜひ訪れたいオススメのガーデンや、花と緑のある暮らしのアイデアをお届けしていきます。
Petersham Nurseries(ピーターシャム・ナーセリーズ)

セレブ御用達のオアシスとして、世界的に有名なピーターシャム・ナーセリーズ。ただの苗屋さんじゃありま せん。エドワード時代に建てられた温室を中心に、おしゃれなショップとカフェ・レストランで構成された、今流行のエコ・ラグジャリーな空間です。ロンドンで時間ができたら、ぜひの場所。

私の記憶ではこのナーセリーズ、現在のスタイルでオープンし、かれこれ10年程余り。宅地開発用地として売りにでたナーセリーの地所を、隣接する屋敷に住んでいた金融業の現オーナーが、温室や畑のまま残すために始めた「ファン・ビジネス(ご本人曰く、儲からない趣味のビジネス)」だったとか。

ナーセリー(育苗園)という名前の通り、様々な種類の植物の見学も眼福ですが、ナーセリーの絶対的な人気 の理由、実は、ヘルシーでニューウエーブな口福のレストランにあります。マドンナやミックジャガーも常連とか。なんだかわかる気がする。それはレストランのインテリア?というか、エクステリア?デザインにあり。もともとの古い温室を利用して作られたレストランは、地面を活かした土間スタイル。ウエイトレスは長靴やサボで給仕をこなします。自然に近い場所で心からリラックスできる食事の時間は、他では得難いものでしょう。ここで頂くものはすべておいしく感じます。

そして、マナーさえ良ければ、子連れ、犬連れもOKなのも魅力。オーガニックの野菜をふんだんに使ったハーブ&スパイシーなランチは、25ポンドから30ポンド程度でお手軽価格。ただし、常に数ヶ月前から予約で一杯なので、旅行が決まった時点でオンライン予約をお忘れなく。また、レストランの予約ができなくても、ティーハウスでは、スープとパンなど軽食やホームメイドのケーキやお茶も楽しめます。

さて、おいしいランチとワインを頂いて、すっかりいい気分になった後は、要注意。目に見えるすべてのものが一層素敵に見えます。根の付いたお花は買って帰れないけれど、インテリア雑貨やアウトドアウエアなどの誘惑が….。その飾り方や組み合わせ方を観察し、ヒントをもらい、手頃な何かを衝動買い…。でも、それも良いでしょう!バージンエアなら、ちょっと多めの荷物も大丈夫なはず!?

ロンドンの中心から電車で30分程度の距離にあるリッチモンド駅から、さらにバスや徒歩で少し、足の便が良いとはいえませんが、リッチモンドは広大な公園と高級住宅街を抱える地域。周囲の景色をのんびりと味わいつつ、「便利さよりも、気持ちの良さ」を優先するイギリスの人々の日常を体感する。人生の意味を考え、ゆったりとした時間の使い方を学ぶ良いチャンスになるのでは?

今年のオープンガーデンのスケジュールを確認すれば(6〜7月)付随するオーナー自宅の庭も公開されます。
詳しい行き方、営業時間は出発前にチェックして。
吉谷桂子 よしやけいこ
園芸研究家、ガーデンデザイナー。
1980年代に広告業界でデザイナー、アートディレクターとして活躍。
夫の博光とともに、92年に渡欧。7年間の英国滞在経験を生かし、帰国後、ガーデニングの仕事に取り組む。
TV番組や雑誌、著書を通して、ガーデンライフの楽しみを提案。国際バラとガーデニングショウ、六本木ミッドタウン「ボタニカ」、箱根星の王子さまミュージアムなど、話題のイベントや店舗の植栽デザインなども手がける。近著は「吉谷桂子の小さな庭のガーデニング術(ベネッセ刊)」
★吉谷桂子のガーデニングブログ
http://blog.iris-gardening.com/