第29回 グランドユニオンカナル ~Grand Union Canal~
August 2011
2008年北京オリンピックで、マラソンのイギリス代表選手として、参加し、見事6位入賞を果たしたマーラ・ヤマウチ選手。現在は、2012年ロンドンオリンピックを目指して、ロンドンを拠点として活動をしています。ヴァージン アトランティック航空 は、今年マーラ・ヤマウチ選手のフレンドシップ・カンパニーとして、 応援します。

ロンドンからイングランド中部のバーミンガムまで運河が続いています。グランドユニオンカナルです。この運河は、ロンドンのブレントフォード(Brentford)を流れるテムズ川からチルターンの丘(Chiltern Hill)に向かって上昇していき、その後一度下降しますが、またバーミンガムに向かって上昇します。全長220キロにおよぶ運河には、166もの水門となるロックがあり、水位が調整されています。

グランドユニオンカナルは、全てがつながった運河として始めから計画的に造られたわけではありません。各地で物資運搬の目的のために造られた運河が、その後つなげられていった歴史があります。古いものでは、1800年代初期に造られたものもあるそうです。グランドユニオンカナルには、メインの運河のほかに枝分かれしている運河もあります。私が学生の頃よく走ったオックスフォードカナルもその一つです。

先日、グランドユニオンカナルが流れるバーカムステッド(Berkhamsted)という村を訪れ、カナル沿いを散歩しました。バーカムステッドは、ロンドンの北西に位置するハートフォードシャー(Hertfordshire)にあります。静かにながれる運河は、街の喧騒から逃れるにはうってつけの場所です。道路や鉄道が発達していくなかで、この運河の役割はしだいに変化していき、今はほとんどがレジャーのための憩いの場として楽しまれることが主になっています。

運河には散歩道がずっと続いています。もちろん日常生活の中で、近隣の人々の散歩などに使われますが、ホテルやB&Bに泊まりながら数日かけて長距離を歩くことも人気です。散歩道沿いにはところどころでパブに遭遇します。天気の良い夕方に美しいカナルの風景を見ながらパブで一杯飲むことは、イギリスの夏のゆっくりとした楽しいひと時です。

また運河をボートで旅行することもイギリスの楽しみ方のひとつです。背が低く長いいわゆるカナルボート(Canal boat)は運河をゆっくり移動するためのボートです。カナルボードには、台所やベッドが付いておりボートで宿泊しながらカナルの風景をずっと楽しむことができます。なかにはカナルボートで生活している人も。時間に余裕があればカナルボートをレンタルしてグランドユニオンカナルの旅をしてはいかがでしょうか。カナルボートのうえで日に当たりながら寝そべる犬のようにゆっくりした時間をすごすことができるでしょう。
英国外交官として駐日英国大使館で駐在経験もあり、日本語も堪能。夫はコーチでもある日本人。現在はマラソンに専念するために英国外務省を休職し、地元開催となる2012年ロンドンオリンピックをめざしてロンドンを拠点にトレーニングに励んでいる。