まずご紹介したいのが、渡辺ちかさん。3年前に大阪・阪急百貨店の英国展でお会いしたときにはクラリッジスにいらしたけれど、現在はチョコレート・ショップ「melt」にてヘッド・シェフをされていると、木島タイヴァース由美子さんの本「イギリス人は甘いのがお好き」で知り、さっそくお店におうかがいしてみました。
お店はノッティングヒルのおしゃれなエリアで、今注目のお店が軒を連ねている通りにあります。
「今のお店は小さいので、自由に作りたいものを作れるのがいいですね。トライアルで作ってみて、評判がよければ続けて売る、ということもできます」と、ちかさん。日本では、銀行にお勤め後、イギリスへ。コルドンブルーのロンドン校に入学。「その後、ロンドンにあるホテルで、無給で働かせてもらいました。2週間したら、ペイストリーシェフとして、労働ビザをくれるといわれ、初めてイギリスで給料をもらいました」そしてレンズバラホテルを経て、クラリッジスへ。いずれもアフタヌーンティーで有名な、ロンドンの高級ホテルです。
「クラリッジスのトップ・シェフ、ニックには、全部1から教わりました。今でもいい友達です」イギリスで働くメリットは? とおうかがいしたところ、日本よりチャンスがある国だそう。「とくにちゃんとまじめに働く日本人は、文句も言わないので重宝がられます。日本で働いたときには、人間関係にいちばん迷いました。イギリスだといろいろな人がいるので、みんながそれぞれ主張するのがあたりまえですが、日本ではそれがないので」
たしかに。イギリスでは人にもよりますが、人と意見が違うのはあたりまえ、という風潮があります。意見を述べて、それが賛同を得られなくても、あまり気にしません。
現在meltはロンドンの高級デパート「セルフリッジス」にも支店があり、かわいらしいディスプレイとそのおいしさで評判を呼んでいます。ただ、すべての原材料に一級品を使い、手作業で練って作るので、大量生産は無理だとか。私もいただきましたが、カカオがこんなにも濃厚で、さまざまな味を展開してくれるのが、おいしく、おもしろいと感じました。チョコレート好きなイギリス人も認める味、ぜひロンドンに行かれたら、お店にいらしてみてください。
さてもうおひとかたは、ライターのyasukoさんです。彼女も仕事でお知り合いになり、本をいただきました。それで気がついたのが、以前寿司について、英語で正しく書かれた有名な本です。その本はグルマン賞という、イギリスの出版業界で有名な賞を取ったこともあり、私も知っていましたが、まさか書いたご本人に会うとは思いませんでした。これはぜひお話をうかがってみたいと、ロンドンのお寿司屋さんでお会いしました。
yasukoさんは、1993年にイギリスへ。最初はミュージシャンとして、いらしたそうです。日本の音楽関係者から「イギリスのことを書いてほしい」とたのまれ、もともと書くことが好きで、ライターに。その後フードライターにインタビューしたのがきっかけとなり、食関係の執筆が中心になったとのこと。今回お会いしたときに私がいただいた本『FRESH JAPANESE』は7冊目だそうです。
この本は日本料理を紹介するのに、材料の説明から出汁の取り方なども説明されているだけでなく、それが基本の和食から、現在日本人がよく食べているようなメニューも登場します。たとえば発芽玄米や黒ゴマアイスなどは、ヨーロッパで初めて紹介したとか。ご本人による盛り付けが美しく、写真集のようでもあります。個人的には「冷やし中華」がおもしろかったですね。日本通のイギリス人でも、まだ知らない人は多いはず!「今後はイギリスにもおいしいものが、たくさんあることを、日本へ紹介したいですね。日本では、まだ料理の本を出していないですし」いずれスコットランドの料理本をとお考えのようですが、フード・ジャーナリストとして、日本の有機農業はとても進んでいるので、それをヨーロッパに伝えることも思案中だそうです。
www.meltchocolates.com
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