第10回 9年ぶりのティーハウスめぐり
October 2008
英国旅行で行くもよし、日本で探してみるもよし。
ライター&英国アンティーク研究家小関由美さんが紹介する、美味しいイギリス!

伝統を重んじる国イギリスでも、日々刻々と変わりつつあります。とくにこの10年はめまぐるしいほどに変貌し、ロンドンは以前のロンドンではありません。
9年前に出版された私の本『イングランド-ティーハウスをめぐる旅』でご紹介したティーハウスも閉店やオーナーが変わったりと、情報内容が古くなったので昨年絶版になりました。しかし最近のイギリスでは再びティーが注目され、新しいティーハウスが続々とオープンしているので、新旧とりまぜたティーハウスの本を出すことになりました。

今年の夏、ひさしぶりのティーハウスめぐりのために、イギリスを訪れました。スタートは、コッツウォルズ。
美しい丘陵地帯の風景が続く、すばらしいカントリーサイドです。
まずはバース近くにある「トールゲート・ティーショップ」へ。ここはコッツウォルズで初めて来たティーハウスです。ちっとも変わらず、以前よりスタッフも増えて大繁盛の様子でした。

今年ティーカウンシルの「トップティープレイス賞」を取った、ウインチクームの「ジュリズ・ジ・オールドベーカリー・ティーショップ」も訪ねました。

オーナーの宮脇樹里さんが、日本人で初めて受賞したとのことで、地元の新聞にも大きく取り上げられたそうです。おいしいスコーンやお菓子とともに、いろいろおうかがいしたお話は、とても感動的な内容でした。

驚いたのは、ロンドン。中心部から少しだけ離れた住宅街に、おもしろいティーハウスが続々登場しています。ハムステッド近くにある「ハイティー・オブ・ハイゲイト」や、ストーク・ニューイントンの「ザ・ティールーム」などは、その代表といえるでしょう。

また「グレーター・ロンドン」と呼ばれる、さらに郊外のティーハウスも、よいお店が続々とできています。地下鉄・ハマースミス駅からバスで十数分ほど行った高級住宅街、バーンズにある「オレンジピコー」は、どこか懐かしい雰囲気の内装に、最近ロンドンで流行中のモダン・ツイストを加えています。アフタヌーンティーセットをいただきましたが、そのおいしさにびっくり!ちょっとスモークしたハムを使ったサンドイッチもいいのですが、スコーンはかなりの美味。紅茶の種類も充実しています。

今回は雑誌『プラスワンリビング』と合同取材だったので、雑誌用取材にも参加させていただきました。ひさしぶりに訪れたピカデリー・ストリートの「フォートナム&メイソン」は、昨年300周年を迎え、そのための全館改修工事がすべて終わり、ジョージアン・スタイルの美しい店内には、新しいパッケージのお茶が並んでいました。4階にある「セントジェイムス・レストラン」でアフタヌーンティーをいただいたのですが、そのおいしいこと!
サンドイッチのパンが薄く食感がよく、ドライトマトが練りこまれているものが、気に入りました。もちろん紅茶は、ここでいちばん人気の「ロイヤルブレンド」です。

物価が高い今のイギリスではありますが、相変わらずお茶は、庶民の手が届く範疇で楽しむことができます。とくに郊外のティーハウスはセントラルにくらべて、値段も抑えめ。ぜひイギリスへ行かれたら、ティーハウスでお茶とお菓子を楽しんでくださいね!トレンドのエリアといえるでしょう。