第7回 オーガニックの流行
November 2007
英国旅行で行くもよし、日本で探してみるもよし。
ライター&英国アンティーク研究家小関由美さんが紹介する、美味しいイギリス!

現在のイギリスは、好景気によって起こったグルメブーム真っ盛り。評判のレストランなどは、予約がなかなか取れない状況が続いています。外食だけでなく、家庭でのごはんもおいしいもの、そして狂牛病以後、安全なものをと、人々の意識も変わりつつあります。
そうした状況の中、オーガニックが大流行しています。スーパーマーケットなどでは、オーガニック野菜のほうがお高めですが、ふつうのものより早く品切れになることも珍しくありません。
ロンドン・ブリッジ駅近くにある「バラ・マーケット」は、伝統ある下町の野菜市場ですが、このオーガニック・ブームゆえ、以前より活気があり、週末はいつも大混雑。私は6年前に取材したことがあります。そのときには再開発のために、マーケットが閉鎖の危機にあっていると聞きました。けれど今回取材にあたって、その後イギリスのレストラン界のスーパースター、ジェイミー・オリバーが反対運動を行い、閉鎖が延期されたらしい、とのうわさも聞きました。

現在では野菜やくだものだけでなく、肉や魚、素材だけでなく、その場で食べられるデリなどもたくさん売られています。イギリスではめずらしく味見もいろいろできますし、調理法などもお店の人が親切に教えてくれます。また日本人には懐かしい、イギリスの普通のスーパーでは手に入りにくいまいたけやしめじなども、ときおり登場します。ヴェジタリアンも多く訪れるので、彼らの常食であるオリーブやナッツ類なども豊富に売られています。ツーリストとしては、チーズやパン、デリなどを買ってブランチにしたり、ここでしか販売していない紅茶などをおみやげにするのもいいかもしれません。ゆっくりとたのしみたいのなら、なるべく朝早めにおでかけになることをおすすめします。

そして最近ロンドンのセントラルで話題なのが「ホールフーズ・マーケット」。ハイストリートケンジントン駅近くのデパートが、アメリカからやってきたオーガニック・スーパーマーケットに変身。とにかく広い! そしてなにからなにまでオーガニック。石鹸や洗剤なども売られています。ディスプレイがきれいで、種類が豊富なだけでなく、品薄商品をこまめに補充しているので、見やすく買いやすい店内は、イギリスのお店とはちょっと違う印象です。このあたりを歩いている人のほとんどが、このお店の紙袋を提げていたのにも、びっくりしました。それでお店の場所がわかったぐらい。
サラダバーなども充実していて、生野菜だけでなく、野菜料理やカレーなどの暖かい料理も買うことができます。手提げかごがカートにもなり、私がでかけたのはすいている午後の時間でしたが、レジは行列ができており、ほとんどの人々が大量購入していました。私もロンドンに住んでいたら、いろいろと買ってみたい食材や調味料がありました。2階はカフェレストランになっています。
以前コッツウォルズ地方で、オーガニック農園の取材をしたことがあるんですが、イギリスは日本の有機農法よりもさらに厳しい基準があり、たとえば畑の土から入れ替えないと、オーガニックと認定されないそうです。そうしたやり方で作られた野菜は、ほんとうにおいしく、家庭でのバーベキューのときなど、オーガニックの野菜をグリルして、オリーブオイルと塩をかけただけといった、シンプルな野菜料理も食べるようになりました。イギリスの食はレストランだけでなく、家庭の食卓からも変わってきています。