第5回 ロンドン・今と昔のレストラン
July 2007
英国旅行で行くもよし、日本で探してみるもよし。
ライター&英国アンティーク研究家小関由美さんが紹介する、美味しいイギリス!

5月22日から6月14日まで、イギリスへ出かけてきました。今回は、3週間の滞在。本の取材と私が企画しているツアーの同行と、アンティークの買い付けが重なったので、やや長めな日程でした。
ロンドンには約10日ほど滞在しましたが、いろいろな人に会い、いろいろなレストランへ連れて行ってもらいました。

まずは、日本から来た友人とそのお母さんと出かけた、コベント・ガーデンにある「Rules」。1798年に開店した、ロンドン最古のイギリス料理店で、ゲームと呼ばれる野鳥などの料理を得意としています。かつてのお客は、ディケンズやロイヤルファミリーなど。あまりにも有名なレストランなので、観光客しか行かないだろうな~なんて思っていたんですが、予約は満席。2人前のローストビーフを3人でシェアしてもいやな顔ひとつせず、快く受けてくれ、巨大なヨークシャープディングとオーダーどおりのミディアムレアで焼き上げられたローストビーフはとてつもなく美味で、週末でもないのに、満員な理由がわかりました。ローストビーフは1人前約20ポンド(オーダーは2人前から)。このお値段ではとってもお得だと思いました。
次は、最近とっても予約がとりにくいと評判のケンジントンにある「ZAIKA」。
1980年代まではインド人が母国料理を母国風にサーブするというのが一般的だったのですが、1990年代以降にはイギリス人向きにちょっとおしゃれな内装で、コース料理として出すお店ができ始めました。このお店もそのスタイルです。
予約なしで訪れたのですが、運良くテーブルがあいていました。通常はひとり2コースのオーダーが基本なのですが、その日はブラウンズでアフタヌーンティーをたっぷり食べた後だったので、「みんなあまりおなかがすいていないのだけど、ぜひ来てみたかったのでごめんなさい!」と言ったら、3人で1スターター、2メインディッシュでもいいよ、とのこと。スターターの前にはアミューズでしょうか? 小さなカレー味のスープが出ました。カレーはさっぱりしていてそれほど辛くないのですが、後をひくおいしさ。ナンも美味。スタッフの感じもとてもいいし、ここはまたぜひ、おなかをすかせて来たい! とほんとうに思いました。

次の夜は、オーガニック・ガストロパブとして有名な「デューク・オブ・ケンブリッジ」へ。ガストロパブの草分けともいえる存在ですが、訪ねたのは今回初めて。地下鉄エンジェル駅から徒歩約10分ほど。住宅街の中にぽつんとあるパブなのですが、その日はお天気もよく週末だったために、店内は人であふれていました。
レストランスペースを予約して、野菜を中心にオーダー。次々とメニューがなくなり、あたらなるメニューが書き加えられていくのが、ここの特徴だそうです。黒板に書かれたメニューは、いずれも他で見たことのない、食べてみたいものばかり。ロンドン下町の味「バブルン・スクウォッシュ」をひさびさに食べることができて、感激! 夏にぴったりな飲み物、ビールとソーダを半分ずつで割った「シャンディー」はレモンが入っていて、さわやかなおいしさでした。予算としては、軽く食べておひとり30ポンドくらい。
お知り合いのコーディネーターさんに、最新トレンドなところへも、連れて行っていただきました。最近ロンドンではチャイニーズに変化の兆しがあり、以前はほとんどが広東料理だったのが、最近では北京や四川など、いろいろな中華料理店ができ始めたそうです。
ホルボンにある「シャンハイ・ブルース」は、ベースは広東料理らしいのですが、このお店ならではのオリジナル・メニューがほとんど。内装が今までの中華料理店とはまったく違い、黒を基調にしたラウンジバーのよう。この傾向は飲茶を出す「YAUACHA」のヒット以来、変わってきたそうです。
いただいたお料理も軽く、さっぱり。飲茶では、ヒスイ色の蒸し餃子がおすすめ。しかし白菜を唐辛子といためたメニューはとてつもなくからかったです。デザートに中国茶をいただいたのですが、ワゴンでやってきて本格的にお茶を入れてくださるのは、ロンドンではこことあと2軒くらいしかないそうです。残念なのは、店内があまりに暗く、写真をとることができなかったこと。それとふたりで90ポンドくらいするので、ちょっと贅沢したいとき、あるいは軽いランチに飲茶がいいかもな、と思いました。
こうしてロンドンも変わらぬ店、新しい店、しかしそのいずれもおいしく栄えています。次に訪れるときはどんな味が待っているのか!? ほんとうにたのしみです。
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