第3回 英国産ワイン&ビールをガストロパブで
March 2007
英国旅行で行くもよし、日本で探してみるもよし。
ライター&英国アンティーク研究家小関由美さんが紹介する、美味しいイギリス!

最近の地球温暖化、イギリスとはまったく関係のない話題のようでありますが、この影響で最近のイギリス、夏がとっても暑いんです。

今までイギリスの家やホテルなどはクーラーがないのはあたりまえ、湿気もないので、日差しが強くでも木陰に入れば涼しかったのですが、最近は30度を越す日もあり、なにやら湿気も多いのです。日本よりはそれでも、涼しいんですけどね。
そんな暑い夏にもいいことはあって、イギリスでワイン用のよいぶどうができるようになりました。以前からワイナリーはあったんですが、フランスなどのワイン国と比べると、ちょっとものたりないお味でした。最近ではフルーティーな白やドライな白&ロゼ、スパークリング・ワインまであり、その種類も豊富です。

ケント産が有名なのですが、私のおすすめはヘレフォードにある、「ブロードフィールドコート・エステート」。あまりなじみのないエリアだと思いますが、ヘレフォードはロンドンの有名シェフも注目しているフード・フェスティバルが行われる、隠れた英国食材の宝庫なのです。ここのワイナリーに併設しているカフェで出されるお料理もワインとよくあうお味で、つけあわせのサラダですら、自前の畑の朝摘み野菜を使っており、遠い道のりをきてよかった!というおいしさです。おみやげにはもちろん、ワインをどうぞ。テイスティングなどもできます。
そして最近の私のおすすめは「コッツウォルド・ブリューイングカンパニー」のラガー! ご存知の方も多いと思いますが、イギリスでビールといえばエールという炭酸の少ないものをさします。「ラガーなんでビールじゃない!!本物のビールといえるのは、エールだけ」と、以前あるブリュワリーで言われました。けれど私はラガー好き。日本で多く飲まれているのも、このラガーです。
ですので、エールをメインに作るブリュワリーはイギリスに多くあるのですが、ラガーにこだわっているのは、とてもイギリスでは珍しいのです!
コッツウォルズの有名なホテルやパブなどに行くと、このラガーを飲むことが出来ます。オーナーのリチャードさんは、有名ビール会社に勤めた後、大学で醸造学なども学んだ後にこのブリュワリーを作りました。まだまだ試行錯誤とのことですが、すでになかなかのお味です。

そうしたイギリスのワインやビールをロンドンで楽しみたいなら、ぜひとも「ガストロ・パブ」へ。今までのパブは夜にごはんを出さなかったり、あってもファミリーレストラン並みのお味なところも多かったのですが、レストランよりも安く気軽においしいものを、というのがこのガストロ・パブ。15年くらい前に登場してから、現在ではその言葉もすっかり定着した様子。有名なのは、ガストロパブの元祖「イーグル」、ローレンス・オリビエの孫がオーナーだという「エンジニア」、コンラン系の「カウ」など。評判になると、シェフがレストランへ引き抜かれてしまい、味の安定性に欠けるの唯一の難ともいえますが、よいワインをレストランより安く飲むことができ、ディナータイムでも3コースなどといわず、前菜だけ、あるいはメインだけでもOKというカジュアルなスタイルは、今までのイギリス式レストランをも変貌させるだけのムーブメントとなっています。