第8回 秋色のイギリス
September 2010
庭園デザイナー。花と緑に魅了され路上販売から店舗、そして庭造りを展開。その後、苔を使った庭で独自の世界観がガーデニングの本場イギリスの伝統行事「チェルシーフラワーショー」で高く評価され、史上初の3年連続金メダルを受賞。2010年にはショーガーデン部門にチャレンジする。全国で壁面緑化事業を手がけるなど環境保護に貢献すべく多方面でも活躍中。

イギリスの夏はあっという間に過ぎて行きます。夏の思い出をいっぱい作り、少しずつ風も涼しくなって行きます。そんな中なんと言っても秋の紅葉はイギリスの町中がイッキに赤や黄色、また茶色に染まります。飛行機の中から見るヒースロー空港着陸前の風景は、まるでお伽の国に来たかのように、ちっちゃな家の周りがなんとも言えないような色をつけていきます。

機内でよく考える事があります。「なんで樹木は紅葉するんだろう?」って。そして、こう思うんです。それは多分、鳥たちに木々が僕の木の実はここだよって知らせるためじゃないかと。特に、イギリスに多いのはドングリの種類の木が多く、町の中に入るとリスたちがあちらこちらでドングリを集めてまわる姿が見られます。リスも冬を迎える前にあちらこちらにドングリを集めては、木の穴に中や土の中、いろんな所に隠してまわります。それを鳥たちが見つけ、また遠くに運んでくれます。リスが隠した場所を忘れてしまったところは、春になるとドングリの芽が出てきます。

さて、その鳥たちですが、イギリスはどこに行っても鳥の多さにびっくりです。まず、朝目が覚めるのも鳥の声。やっぱり鳥が多いのは沢山の種類の木があるからで、それが一斉に鳥も、樹木も、草花にも、秋色に染まる今からは、人生の中で是非見て頂きたいファンタスティックな風景なのです。

その風景の中で僕の一番の楽しみが読書です。イギリスはとにかく本屋さんが多くて、特に庭や花の本は世界一多いんじゃないかと思うくらい専門的な本屋さんが多いようです。つい本屋さんに入るとお庭の本、お庭の写真集などついついたくさん買ってしまいます。本屋さんに関しては、カフェの本や料理の本などなど、たくさんの本屋さんがあります。また、その本を買ってお庭で紅茶を飲むイギリスはオープンガーデンが沢山あります。

オープンガーデンというのは自宅の庭を有料で公開、収益は寄付する目的で行われる事業で、なんとオープンガーデン専用の電話帳(
イエローブック)もあります。さすが、ガーデニング大国イギリスです。

そのオープンガーデンも白い花を集めたホワイトガーデンから、多肉植物だけのお庭など様々ですが、僕がこの季節におすすめはやっぱりモミジのお庭です。イギリスには以外と日本でおなじみの植物が多く見られ、モミジの種類は日本より多いんじゃないかと思うくらい多いんです。それは、今年のチェルシーフラワーショーでモミジを集めて廻った時にたくさんのモミジに出会ったからです。そんな大好きなお庭を見つけ、そしてそこで大好きな本を片手にお庭巡りはこの秋の季節ならではの楽しみ方だと思います。またイギリスの方は特にコアな趣味の方が多く、そこに行ってお話を聞くのがとても楽しみのひとつだと思います。

僕はチェルシーで出会った友達と良くメールの交換をしています。そうすると、以外とイギリスって遠いと思っていましたが、すごく身近に感じるようになりました。飛行機も12時〜13時間で着きます。まずは軽くワインを飲んで大好きなお庭の本を読みます。2〜3冊読んでいるうちに、あっという間に着くって感じです。お庭も本もステキですが、イギリス人の友達が出来ると、もっともっとイギリスの魅力に引き込まれますよ。みなさんも、今年は秋のイギリスを旅してみませんか?

最後はガーデニングミニ講座。まだまだ暑い日が続きます。植物がしんなりしている姿、見かけませんか?そんな時お水をあげなきゃって思いますよね。ここでワンポイント。すぐにお水をあげると、葉の上にある水滴がレンズの代わりになって葉っぱを焼いてしまいます。日陰ができてからお水をあげましょう。動かせる鉢なら日陰に移動させてから。
ほら、私達だって炎天下では日陰に入って一息ついて、水分補給しますよね。それと同じです。是非、実行してみてくださいね。
石原和幸
Ishihara Kazuyuki
庭園デザイナー。22歳で生け花の本流『池坊』に入門。以来、花と緑に魅了され路上販売から店舗、そして庭造りを展開。その後、苔を使った庭で独自の世界観がガーデニングの本場イギリスの伝統行事「チェルシーフラワーショー」で高く評価され、史上初の3年連続金メダルを受賞。2010年にはショーガーデン部門にチャレンジする。全国で壁面緑化事業を手がけるなど環境保護に貢献すべく多方面でも活躍中。1958年長崎県生まれ。
石原和幸デザイン研究所 ’風花’
http://www.kaza-hana.jp/