第9回 アイルランドへ行こう ~アイルランド出身ミュージシャンのゆかりの場所~
July 2010
妖精が暮らすといわれる草原、風光明媚な自然に息づくケルト遺跡、伝統音楽とダンスで賑わうアイリッシュパブ。イギリスからもう少しだけ足をのばして、「エメラルドの島」アイルランドを訪れてみませんか?
アイルランド出身のミュージシャンとして多くの人が思い出すのはU2とエンヤ。
今回はそんなミュージシャンゆかりの場所をご案内します。

U2は1980年にメジャーデビューしたロックグループで、『ジョシュアトゥリー』などの世界的ヒットを持つ。彼らの故郷としてアイルランドを認識し、訪れるファンも少なくありません。4人のメンバーのうちの2人、ボノとエッジが経営する「クラレンス」というホテルが、ダブリンのリフィー川沿い、ハーフペニー・ブリッジやテンプル・バーの近くに存在しています。1852年創業のホテルですが、U2の2人が1992年に買いとり、彼らが考える理想的な滞在場所として改装してからは、高級ホテルに生まれ変わりました。入口は小さく、外観も特に目立ちません。レセプションエリアも、華美に飾り立てることはせず、シックに、かつ洗練された雰囲気で統一しています。

U2を思い出させるものは特に何もありませんが、ファンにとっては興味の対象に間違いありません。またここからほど遠くないところに、通称U2ストリートと呼ばれる“windmill lane”という通りがあります。近くには彼らがレコーディングに使ったスタジオがあり、ファンが訪ねては、ストリートの壁にグラフィックアート的落書きを残して行くため、その短い通りの壁だけがとてもカラフルになっていて、観光名所にもなっています。
「クラレンス」ホテル:
http://www.theclarence.ie/
ダブリンの詳しい情報は:ダブリン観光局
http://www.visitdublin.com/

アイルランドののどかなイメージが想起させるミュージシャンといえば、やはりエンヤではないでしょうか。彼女の透明感のある歌声は、アイルランドの優しく静かな自然と重なる部分が多く彼女自身、アイルランドの風景が音楽のひらめきを与えると語っていて、母国語であるゲール語で歌を歌い続けているのは、メロディーに最も相応しく自然な響きがかもし出せるからなのだそうです。だから聞き手が、アイルランドの風景と彼女の歌を重ねあわせるのは当然とも言えます。彼女の故郷は、アイルランドの北西部ドネゴールにある小さな村、グウィドア。父親がパブを経営する音楽一家に育ちました。
アイルランドのパブに音楽はつきものだが、エンヤ自身もデビュー前、家族で組んだバンドに参加していました。そして20歳で独立して、デビューアルバムからヒットを飛ばし、世界で愛され続けています。父親のレオさんは今もグウィドアに「レオズ・タバーン」の名で、パブを経営しています。この土地に店をオープンして36年。もちろん訪れるのはエンヤのファンばかりではありません。レオさんの人柄を慕って、普通のパブと同じように地元の人たちが集い、自身も音楽家であるレオさんが毎晩のようにアイルランドの伝統音楽を披露しています。
「レオズ・タバーン」:
http://www.leostavern.com/
宿泊は:ドネゴール郊外の湖畔ホテル
http://www.harveyspoint.com/int/jp/default.asp

U2やエンヤ以外にもコアーズ、ボーイゾーン、シンリジー、ウエストライフなどアイルランド出身のアーティストは数多い。ダブリンにはシアターや野外コンサートの会場も多く、ビッグスターが出演する時には日本人ファンも訪れています。ただ、わざわざコンサートに足を運ばなくても、アイルランドにおいて音楽がどれほど日常に根差しているかは、ふと出くわしたストリートライブを目にした時や、パブからこぼれてくる音楽を聞いているだけでもよくわかります。
ダブリンは、世界一ストリート・ミュージシャンが多いとさえ言われています。そして、こうした土壌があるからこそ、世界で認められる数多くのミュージシャンが育ったとも言えるのです。