

フォスター卿はマンチェスターの出身で、僕が大好きな思想家バックミンスター・フ
ラーの元で働いていたことでも知られています。その後、イギリスを代表するもう一
人の建築家、ミレニアムドームを作ったリチャード・ロジャースと出会って建築チー
ムを若き日に結成。いまや二人とも、イギリスを代表する世界的建築家になりました。
僕がフォスター卿の建築で好きなのが、ロンドン市庁舎です。イギリスの官公庁と
いえば、古めかしいイメージの最たる場所ですが、そのイメージを一新しました。傾
く外観もとてもユニークですが、中に入ると螺旋状の作りになっていて、再びビック
リな未来的美しさがあります。実はこの傾斜角度は、南へ31度。この傾きにより太陽
光の吸収を最大とし、エネルギーの消費量を通常の約半分に押さえました。観光客で
もウエッブサイトから申し込めば、見学可能です。市庁舎であることからも、いまの
ロンドンの顔と言ったら、この建物かもしれません。
続いてご紹介は、201ビショップスゲイト・アンド・ブロードゲイトタワーです。大
きいビルと小さいビルのふたつでひとつの建物のオフィスビル。リバプール・ストリー
ト駅のすぐそばにそびえ立っています。建築はアメリカ最大の建築事務所スキッドモ
ア、オウィングス&メリル。実は、この建物だけでなく、この周辺一帯の都市設計を手
がけ、いまも工事があちこちで進んでいます。デコボココンビのようなユニークな建
物は、いまやイーストロンドンの顔です。
最後は、古代ローマの格闘技場を意味するパレストラをご紹介します。
ジュビリーライン、サザーク駅の前に数年前に完成したばかり。
ロンドン開発局も入るオフィスビルです。建築はSMCオルソップ。代表のウィリアム・
オルソップは、アートスクールであるセントマーティンズを出た後に、建築を学び建
築家になりました。彼のモットーは「退屈なやつはいらない!」で、実際建築を見ても
わかるように、退屈とはほど遠いデザインです。
実はロンドンは、高層ビルを建てる場所に厳しい規制があります。
ですから、中心地を歩くと、東京やニューヨークと違って、空がとても大きく見えま
す。一方、サウスバンクやイーストロンドン、カナリーウォーフには、あたらしいロ
ンドンの顔が続々と更新されます。素晴らしい天空率と、あたらしい建築。
ロンドンを歩く際には、ぜひ上を向いて歩きましょう。