それにしても、スゴイものがロンドンに突如現れた。その名は「ウエストフィールド」。ロンドンの西、シェファード・ブッシュにオープンしたばかりの巨大ショッピング・モールである。その大きさは、サッカーコート30面以上、店舗数は300を超え、あたらしいひとつの街が出来た、と言っても過言ではない。ファッション・メガブランドから、携帯ショップ、銀行にコンピュータストア、本屋に薬局まで、いわゆるロンドンのハイストリートにある店舗は、ほとんど入っており、まるでセントラル・ロンドンを圧縮したような街づくりになっている。実際、複数の駅にまたがる様は、本当に街のようだし、ロンドンの地下鉄の駅ひと駅分に渡ってあるショッピング・モールが、いかに巨大か想像できるだろう。さらに、夜遅くまで営業しているのもよい。
そんな場所!ロンドンじゃない!まるでアメリカじゃないか!と言う人も地元に実際多い。確かに、このショッピング・モールが、そのままカリフォルニアのどこかにあってもおかしくない。ロンドンらしさを考えろ!という声も聞く。しかし、そんな声に反して初日には16万人の人が訪れ、オープンから半月たった今も、日曜日は入場規制で人々の列は2キロ近くになる。さらに、セントラル・ロンドンにある多くの店舗は、「ウエストフィールド」がオープンして以来、軒並み売り上げ25%ダウン。イーストエンドが流行っていたロンドンは一昔、「ウエストフィールド」は、いまや完全にあたらしいロンドンの顔になったのである。
21世紀になってから、シティと呼ばれた金融街と二分するように、カナリー・ウォーフが新金融街として突如現れたのは、記憶にあたらしい。今度はリージェント・ストリートとオックスフォード・サーカスを圧縮し、「ウエストフィールド」が出来上がった。あたらしいことやモノを否定するのは簡単だ。それがかつてのイギリスだったことも確かだ。しかし、いまは違う。古い良いものを大切にしながらも、あたらしい感覚を取り入れる21世紀のロンドンを、ぜひ「ウエストフィールド」で感じてほしい。余談ですが、為替の関係で、いまヨーロッパでもっともメガブランド・ファッションが安いのはロンドンです。お忘れなく。

