第19回 英国の幽霊たち ’A Rush Hour of Ghosts’
October 2009
英国の公的な国際文化交流機関ブリティッシュ・カウンシルの英語講師が、イギリス文化についてご紹介します!リアルなイギリス情報をお楽しみ下さい。

Written by Philip Patrick (フィリップ・パトリックは
ブリティッシュ・カウンシルの英語講師です)

皆さんは幽霊を見たことがありますか? おそらくないかと思いますが、次の英国旅行は幽霊を見る絶好の機会になるかもしれません。英国政府観光庁によると、英国には何千もの幽霊がでる場所、不気味な幽霊や悪鬼、この世のものとは思えないような兆候が現れるスポット があるそうです。
今月は、英国の‘幽霊’と、英語をより豊かにしてきた面白い‘幽霊にちなんだイディオム’をご紹介します。
英国の幽霊は3つのカテゴリーに分けられ、最も有名なのは、‘歴史上の幽霊’です。彼らはほこりをかぶった歴史の教科書のページから、かつてのたまり場に抜け出し、時折、現実の世界に飛び出して観光客を怖がらせたりします。中でもよく知られているのは、ロンドン塔の露と消えたヘンリー8世の2番目の妃アン・ブーリンでしょうか。かわいそうなアンは断首の刑を受けましたが、無傷で幸せそうな彼女の幽霊がロンドン塔で目撃されています。また、探検家のウォルター・ローリーや500年以上前に殺されたとされるエドワードとリチャード王子の亡霊も同じロンドン塔で出現しています。
英国には‘劇場に関連した幽霊’も存在します。実際、ロンドンでは、超自然現象の存在なしに立派な劇場とは見なされません。例えば、ラッセルストリートにあるフォーチュン劇場のバーでシャンパンを飲んでいる ‘woman in black’ (黒い服の女)、ロイヤル劇場の ‘man in grey’ (灰色の男) など。イギリスのロックバンド、クイーンのリードヴォーカル、フレディ・マーキュリーはトッテナムコートロードのドミニオン劇場の廊下や着替え室によく出没するといわれています。彼のバンドミュージックから刺激を受けたミュージカル、‘We Will Rock You’(ウィ・ウィル・ロック・ユー)がこの劇場で始まったことを考えると当然かもしれませんね。その他にも、ビクトリアパレス劇場では、かつらが自発的に飛び輪回るなどといった、様々な超常現象が起るとされ、シャフツベリー・アベニューのクイーンズ劇場では男性スタッフが着替えているとゲイの幽霊に見つめられるという話もあります。
また、‘動物の幽霊’も英国では日常的です。 ロンドン塔近くのAll Hallows Churchで見られる猫の幽霊や、ロンドン塔内での熊の幽霊など。馬の幽霊も、英国中、特に、エッジヒルなどのかつての戦いの場で目撃されています。また、ドーセットのAthelhampton Hallでは、猿の幽霊が飼い主だった少女が自殺した部屋のドアを引っかいている音が聞こえたり、ノーフォークのThetford Warren Lodge周辺ではウサギの幽霊がぴょんぴょん飛んでいる様子も目撃されています。
幽霊にちなんだイディオムとしては:
not a ghost of a chance チャンスのかけらもない
There isn’t a ghost of a chance of getting to the church on time. 時間通りに教会につく見込みは少しもない。
to lay the ghost of ~に悩まされなくなる
He finally laid the ghost of his past failures by winning the gold medal. 彼は金メダルを獲ったことで過去の失敗に悩まされないようになった。
to give up the ghost 動かなくなる
My computer has finally given up the ghost. I’ll need to get a new one. コンピューターがとうとう動かなくなった。新しいコンピューターを買わなければ。
身の毛のよだつ四谷怪談のような日本の幽霊と比べて、英国の幽霊は、恐ろしいというよりは控えめな存在なので、英国では‘ゴーストハンティング’がブームになっています。(ウサギの幽霊を目撃しても、精神的ショックはあまり大きくないでしょう?) 幽霊スポットにご興味がある方は、歴史上の幽霊目録‘Who’s Who’への記載を誇りとしているロンドン塔やウィンザー城がオススメです。また、幽霊を訪ね歩く‘ゴーストウォーク’は英国中のよく幽霊がでるとされる都市で実施されています。公式に認定されているのはチェスターや、ダービー、エディンバラですが、その他にも多くの幽霊スポットがあり、バラエティーに富んだツアーが設定されています。
また、英国の歴史的な場所での不気味な体験や、写真撮影をご希望の方は下記のサイトをチェックしてみてください。
Ghost Events
http://www.ghostevents.co.uk/
Ghost Tours UK
http://www.ghosttoursuk.co.uk/#/events-2009/4525454979
Haunted Happenings
http://www.ghost-hunting-uk.co.uk/
ちなみに、英国のある新聞によると、幽霊の目撃件数は携帯電話の使用が盛んになった15年ほど前から減ってきたそうです。電話の呼び出し音やテキストメッセージが出す電子の騒音が超自然現象を減らしたのではないかという指摘があります。幽霊との遭遇を希望される方は、幽霊を驚かさないように携帯電話をマナーモードにすることをお忘れなく!
英国の公的な国際文化交流機関 ブリティッシュ・カウンシル
国際的な英語教授資格を持つ英語講師のもとで、世界を広げるために英語スキルを高めませんか?コミュニケーション英語、ビジネス英語、留学のための英語、 IELTS 試験対策、時事英語、文学セミナーなど、多彩なコースをご用意しています。
また、講師と生徒の交流を深めるための無料のイベントや、アーツ、サイエンス、教育関連のイベントも随時開催しています。
コースの詳細等は、
ホームページをご覧ください。