第9回 オフィスでのクリスマス!
December 2008
英国の公的な国際文化交流機関ブリティッシュ・カウンシルの英語講師が、イギリス文化についてご紹介します!リアルなイギリス情報をお楽しみ下さい。

12月下旬に英国のオフィスに足を踏み入れると、 低予算で製作されたディズニーのクリスマス映画と“サタデ-ナイトフィーバー”を併せたリメイク作品のセット上にいると思ってしまうかもしれません。というのも、英国中の何百万人のオフィスワーカーにとって年間最大のイベントであるクリスマスパーティーのために、普段は面白みのない職場が、キラキラ輝くミラーボールや、ディスコライト、慌しく取り付けられたデコレーションで変身しているからです。
オフィスでのクリスマスパーティーは、一般的にクリスマス休暇が始まる前の週に行われます。これは現代の英国クリスマスの習慣として確立し、いくつかのお決まりの要素があります。
音楽は、アバやワムといった‘cheesy’(昔懐かしく聞きなれた)なものでなければなりません。年代を問わず誰もが知っていて、酔っていても曲に合わせて踊れるようなポピュラーなクリスマスセレクション。
デコレーションはシンプルかつ愉快なものです。日頃の復讐としてFAXマシーンがピカピカ光る糸でぐるぐる巻きにされたり、コンピューターモニターの上に天使が止まっていたり。
食べ物や飲み物は子供時代の誕生日会を思い出させるようなスティック付きのソーセージや、フットボール型のチーズスナック、ポテトチップスなど、ふんだんに用意されます。 しかし、忘れてはならないのは、なんと言ってもアルコールでしょう。

また、クリスマスパーティーはおふざけや無礼にも寛大です。オフィスでの決まりごとは一時的に中断されます。飲みすぎても、食べ過ぎても、また、上司にいつもは言わないようなことを言ってもおそらく大丈夫。皆、羽目を外すことを想定し、日頃の抑圧から開放されて悪意のない冗談やいたずらに加わります。クリスマスパーティーは、年齢も地位も関係なく、誰もが平等になる一夜限りのお祭りです。
その他、オフィスでのロマンスもお決まりの要素です。‘office Romeo’ (オフィスのプレイボーイ)たちにはまたとない活躍のチャンスですし、誕生したばかりのカップルは公共の場には若干不適切な ‘snog’(キスの口語)のために倉庫に消えていきます。“良い”クリスマスパーティーはその後1年、皆を楽しませるゴシップを提供してくれるのです。
つまり、クリスマスパーティーは、悪意を忘れ、仲間意識を高める1年の締めくくりに最適なイベントなのです。BBC放送の人気コメディードラマの‘The Office’は、Christmas ‘bash’(パーティーの同義語)で最終回を飾りました。必要な要素が全て組み込まれたクリスマスパーティーを舞台に、秘書DawnとセールスマンTimとのロマンスでエンディングを迎えたのです。
著作者 Philip Patrick (フィリップ・パトリックは
ブリティッシュ・カウンシルの英語講師です)