
このイギリス独特の習わしは、グループの一人が全員分の飲み物を買い、これを持ち回りで担当するというもの。ラウンドでは、次のような表現がよく使われます。
一説では、このならわしは、勇ましく、競争的なお酒の飲み方をしたバイキング由来のものとも言われています。また、信憑性は低いですが、 キング・アーサーと円卓の騎士につながるとも。
始まりはともあれ、この習慣は様々な理由により代々受け継がれてきました。まず実際的かつ効率的であること。カウンターで並ぶ時間を減らすことにより、パブで飲むために使う貴重な時間を最大活用することができます!また、より深い理由として、仲間に飲み物を「ふるまう」という機会は気分がいいものですし、それによりグループ内の信頼と絆が深まりもするという、高度に統制された社会的儀式なのです。
ただし、ラウンドには、気をつけなくてはいけない落とし穴や暗黙のルールがあるので、ご紹介しましょう。ラウンドに積極的になりすぎると見栄っ張りととられますし、自分のラウンドに少しでもためらいを見せることは、パブ文化で最低の行動である「
round dodger (ラウンド逃れ)」の汚名を着せられます。また、グループの人数が多くなると、1回のラウンドで使う金額が高くなり、複雑なものとなります。(一般的には、
3 ~ 4 名でのラウンドが最適とされています。)ラウンドで飲み物を買うことが、飲みすぎを助長していると言う人もいます。そのために北イングランドでは、一時的にラウンドでドリンクを買うことが政府により禁止されたほどです!
英語を母国語としない方には分かりにくいこともありますが、これらの表現の中には話し手の真意をつかみ取るためのヒントが多く隠されていることがあります。例えば、`let's
just say`というフレーズを、下記のように控えめな表現の前置きにすることにより、本音を表すことができます。
様々な欠点があるとしても、ラウンドは今でも支持を得ている習慣。最近行われた調査によると、イギリス人の
82 %が、ラウンドで飲み物を注文することに好意的であるとのこと。パブがどのように変化したとしても、飲み物の買い方は今後ずっと変わらないのでしょう。
著作者 Philip Patrick (フィリップ・パトリックはブリティッシュ・カウンシルの英語講師です)
英国の公的な国際文化交流機関 ブリティッシュ・カウンシル
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