第41回 Coe-production ロンドン・オリンピック - 英国のヒーロー、セバスチャン・コーの活躍
February 2012
英国の公的な国際文化交流機関ブリティッシュ・カウンシルの英語講師が、イギリス文化についてご紹介します!リアルなイギリス情報をお楽しみ下さい。

Written by Philip Patrick (フィリップ・パトリックは
ブリティッシュ・カウンシルの英語講師です)
自分にとってのヒーローが年をとったり、歳月が経つにつれて、毛が薄くなったり、身体がたるんだり、弱ったりと、特別な存在でなく普通の人間にすぎないことが明らかになるのは、ショックを受けるものです。映画スターよりも、若い時期に活躍するスポーツ界のヒーローであれば尚更です。自分たちのヒーローが、全盛期、それも30年以上前と現在で全く同じように見えるのはとても珍しく、驚くべきことでしょう。

そのヒーローこそ、英国の陸上競技で史上最高の中距離種目走者とされるセバスチャン・コーです。彼は何度も世界記録を破り、記録を塗り替えました。ライバルであったスティーブ・オベットに破られるまで、中距離4種目で世界記録を保持したことも。彼の2つの世界記録は20年近く保持されました。
コーの輝かしいキャリアで、最も際立つ業績は1980年と1984年のオリンピック1500メートルで金メダルを獲得したことでしょう。論議を呼んだ1988年のオリンピックでチームから外されなかったら、3つ目のメダルを獲得できたかもしれませんが。コーの不出場は世界を大変落胆させたので、国際オリンピック委員会の前会長サマランチは主催者推薦枠を行使しようとし、それも実現不可能となったときは、コーの母親がインド人とのハーフだったため、インドチームがインド代表として走ることを提案したほどです。
陸上競技選手を引退後、政治家として活躍し、現在は、ロンドン・オリンピック組織委員会の会長を務めています。彼は国際オリンピック委員会でロンドンの事例発表を成功させ、英国にオリンピックを誘致しました。その後、300のイベントの準備、競技者1,000人の動員、900万枚のチケットの発行など、骨の折れる仕事を監督しています。
オリンピックの準備は、確かにお金の掛かることではありますが、コーは、持続可能性のテーマを強調し、オリンピックがロンドンのイーストエンドを再生させ、今後何十年も渡って利益があるように首都のインフラを向上させるとしています。現在、新しい競技場が建設され、既存のものは改修されています。ロンドンの盲点でもある交通システムは、日本の電気メーカー日立製作所の特急列車の技術を使って、大会中1日4000ものの追加運行を行う
‘Javelin’ high-speed rail service の整備を進めています。
このように大変な仕事をこなして、白髪の1、2本増えそうにもかかわらず、現在、55歳のコーは、彼が世界中のトラック上で記録を生み出しメダルを持ちあげていた頃と同じように見えます。万が一、プレッシャーがあるとしたら、うまく隠せているといえるでしょう。
土産店は既に盛況で、ロンドン大会が至上最高のオリンピックになるという確信も生れてきています。慎み深いコーは、彼の活躍を語ろうとしませんが、この歴史的なプロジェクトに人々が関わることへの貢献を認めています。現在、順調に進行しているこのプロジェクトは、偉大なスポーツの思い出を残すだけではなく、英国に世界的な規模の施設を残し、次の世代のヒーローや記録を破る選手を生み出すことになるでしょう。
まぁ、費用については、ノーコメントで。
英国の公的な国際文化交流機関 ブリティッシュ・カウンシル
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