


誰にも教えたくない、自分だけの宝物のような町がある。
今回ご案内するライはまさにそんな町のひとつ。
高速列車の開通で近くなった南東イングランドの
カントリーサイドに足を延ばしてみませんか。
ライ駅に降り立てば、目の前には中世の雰囲気を色濃く留めた町並みが広がる。町を2分する緩やかな坂道(マーケット通り~ウエスト通り)を行けば、密輸業者の根城になっていたマーメイド・インのあるマーメイド通りにたどり着く。そこには玉石が敷かれた昔ながらの石畳が広がり、下り坂のマーメイド通りの向こうには周辺の丘陵が遠望できる。

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セント・メアリー教会の時計塔は稼働している時計としては、イングランド最古のもののひとつ。1561年の建造当時のままに、今でも時を刻んでいる |
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時計塔からの眺望。かつては周囲を海が取り巻いていたライも、現在は土砂が堆積し、港は4キロ先に遠のいてしまっている |

黒い木部に白壁の建物。壁面を覆い尽くすかのように広がる蔦、そして人魚の看板。 ライの歴史を語る上で外せないのがマーメイド・インである。創業は1420年。女性が好みそうなマーメイドというロマンティックなネーミングと趣のある建物ではあるが、18世紀には密輸業者たちの巣窟だった。良港として栄えたライのもうひとつの顔がここにある。
そう言われてみると階段も微妙に折れ曲がり、先を見通すことができないように設計されている。そこかしこに仕掛けがあり、まるで忍者屋敷のようだ。

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壁面いっぱいに飾られた著名人たちのポートレートやサイン。マーロン・ブランド、ソフィア・ローレンからジョニー・デップまで |
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五港同盟(サンクポーツ)の紋章。ライも13世紀に五港同盟に加わり、重要な港として繁栄した |

繁栄を誇った古都には<掘り出し物>がある、という世の習いどおり、ライにもたくさんのアンティーク・ショップがある。大物の家具からキッチンウェアやジュエリーなどを扱う店が約30軒(!)もあり、その多くが川沿いのストランド・キーとその周辺に集中している。お土産にできる雑貨を扱う店が多いのが旅行者にはうれしい。
アンティークというと身構えてしまう人もいるが、買い付けを生業にするディーラーではないので、最初から宝物を掘り当てようなどとは思わずに、あくまでも自分にとっての<掘り出し物>を探そう。犬や猫といったテーマや自分のラッキーカラーで小物を選んでもいい。絵柄が気に入ったものの蓋がないティーポットだったら、花瓶に使ってしまってもいい。そんな発想でアンティークと向き合えば、きっと彼らの声が聞こえてくるにちがいない。

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キッチン用品や家具など、オーナーのジェーンさんが選び抜いた商品が所狭しと並ぶ |
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某局の鑑定番組の元となったBBC局『アンティークロードショー』の鑑定士を務めるアンディ・マッコンネルさんのお店 |

小さな町ではあるが、ライには魅力的なティールームがたくさんある。

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店名もそのままアポテーカリー(薬局)というティールーム。薬箱もインテリアとして活かされている |
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16世紀末に活躍した劇作家ジョン・フレッチャーの家だったティールーム(フレッチャーズ・ハウス) |

オーガニックもいいけど、高コスト。ということで、旬で良質な食材が手軽に手に入るファーマーズ・マーケットがいま人気だ。ライのマーケットは毎週水曜日に開かれて、小規模ながらもライや周囲の町からの特産品が並ぶ。このエリアでは梨、リンゴそしてワインが特産品。そのほかにも肉類や魚、乳製品、パン類、ハーブ入りのビネガー、チャットニー、コンサーブ、マーマレードなど、さまざまな食品が販売される。

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試食もOK。店の人とのふれあいも楽しい |
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ヘイスティングにお店を持つパン屋さんも出張販売 |
