


町を横切るようにエイヴォン川が緩やかに流れ、
家々はバースストーンと呼ばれる蜂蜜色の石材で築かれている。
町の名はブラッドフォード・オン・エイヴォン。
この町の最大の観光資源は、たぶん一軒のティールームである。
ブラッドフォード・オン・エイヴォンはコッツウォルズ丘陵の端に位置している。バースからはわずか13km。列車で15分の所要時間である。町の歴史は非常に古く、古代ローマ時代までさかのぼることができる。この町は、中世以降の数世紀は毛織物産業によって繁栄を遂げ、その最盛期に建てられた17世紀の建造物も残されている。19世紀に入り産業の主流は、毛織物からゴム製造業へと移り変わった。人口一万人足らずの小さな町ではあるが、サクソン時代の建物や毛織物に関連した産業遺産などの見どころもある。
川の流れのように緩やかに時間が流れる小さな町の中で、例外的に忙しい場所がある。それはザ・ブリッジ・ティールーム。この名前を聞いてすぐにピンと来る人は相当な英国通か紅茶好きの方だろう。UKティーカウンシルが選出する「トップ・ティープレイス2009」に選ばれたティールームなのだ。今回、ブラッドフォード・オン・エイヴォンの訪問を決めた理由も、もちろんこの店の存在だった。

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川辺には木々が繁茂していて、木漏れ日を浴びながらの散策もたのしい |
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ブリッジ・ティールームの英国ナンバーワンの栄えある印が外に張られていた。 |

バースからの列車は町の中心にあるブラッドフォード・オン・エイヴォン駅に到着する。1848年に建てられた小さな駅舎を後に、北へ向かいシルバーストリートに合流する。(しばらく行くと左手に駐車場があり、その奥にある建物がインフォメーションセンター)シルバーストリートを道なりに歩いていけば、すぐに町のランドマークであるタウンブリッジが迎えてくれる。そして橋のたもとに立てば、川沿いに走るブリッジストリートに面して建つザ・ブリッジ・ティールームとのご対面である。
町を散策して戻ったのは45分後。我々を待つかのようにたったひとつの席が空いていた。アフタヌーンティーを頼んでから、再びドアを開けて外に出るまで、その空間に身を置く幸福感を感じ続けた。最高のお菓子と紅茶、そして完璧なおもてなし。崩れ落ちそうな(失礼)外観も実は演出のひとつかと思いたくなる。たったひとつのティールームを目的にした旅があってもいい、心の底からそう思えた。

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DATA
ザ・ブリッジ・ティールーム The Bridge Tea Rooms & Restaurant 24a Bridge Street, Bradford on Avon, Wiltshire, BA15 1BY tel:01225-865537 http://www.thebridgeatbradford.co.uk/ |

まず目指すのは、サクソン教会と町。インフォメーションセンターのある駐車場の奥にある橋を渡るのが近道だ。渡った先がチャーチストリートで、すぐに教会が見えてくる。まず目を引くのは現在、教会として機能している立派な教会だが、目的はその右手にある小さく古い建物、セント・メアリー・トーリー教会である。10世紀に建てられた後、納骨堂や学校そして住宅などの用途で使用され、サクソン時代の教会だと分かったのが1856年のことだった。内部の壁面上部に一対の天使が刻まれている。サクソン教会として最も完璧な姿を残しており、まさに奇跡である。
町の広がりを実感するには高いところから見るのが一番いい。通常は教会の尖塔や城塞であるが、この町にはトーリーと呼ばれる高台がある。 チャーチストリートを進み、高台へと足を運ぼう。その丘には歴史的な価値のある旧織工のコテージが点在している。眼下には蜂蜜色の石材で造られた町並みと赤茶色の屋根の連なりが見える。そして緑の深さにも感動した。
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物資の輸送に使われていた運河も今ではレジャー用のナローボートが浮かぶ。運河に沿って 心地よいフットパスがある |
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ロンドン・パディントン駅からバース・スパ駅まで所要約1時間30分、同駅にて乗換え15分でブラッドフォード・オン・エイヴォン駅に到着 |
