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イギリスに滞在中のヴァージン特派員達が、イギリスの「今」の情報をお届けします!!

YASU プロフィール


現在イギリスの大学院にて国際金融を学びながら、イギリス生活を満喫中。学業の傍ら、大学構内でアルバイトをし、現地大学生の流行にも触れる。

« 付加価値税: Value Add Tax (VAT) その1

付加価値税: Value Add Tax (VAT) 番外編 »

こんばんは。

 

前回は、VAT(付加価値税)について、昨年実施された減税を切り口として、法律の面から見たイギリスの付加価値税について大まかな説明を行いました。今回は、前回の説明を踏まえて、どんな物が付加価値税が価格に含まれているのか、また、なぜ製品によって付加価値税がかかったり、かからなかったりするのかについて書いて行こうと思います。

 

前回出したクイズの答えも、後ほど発表します。

 

さて、前回の後半にて、付加価値税は0%、5%と17.5%の三段階に分かれていると書きました。では、実際には、どんな物がそれぞれのパーセントにて課税されているのでしょうか?

 

0%課税は、生活必需品と、本、新聞や雑誌、子供服や法律で決められた項目の食品等が該当します。ここで、 「法律で決められた項目の食品等」と言う条件がありますが、前回出したクイズの答えに直接関わる事なので、後ほど実例を挙げて詳しく説明します。

 

5%課税は、車で使用する子供用のチャイルドシートや、燃料に対して、17.5%から5%に下げて課税されています。

 

17.5%課税は、その他の項目(例えばアルコール類、調理済の食品、ミネラルウォーター、アイスクリーム、ガソリンやレストランでの食事など)が挙げられます。

 

どの製品が付加価値税の課税対象なのか、それとも非課税なのかは、1994年に制定された付加価値税の法律『Value Added Tax Act 1994』にて事細かく条文に書かれています。英国政府のリンクを記しますので、参考にして下さい。

www.opsi.gov.uk/Acts/acts1994/ukpga_19940023_en_18#sch8-pt1
(英文)

 

このリンクは、非課税の製品について条文で規定されています。この条文の中で、対象外の製品(Exempted items)が、17.5%の課税がかかる製品であると解釈します。この17.5%の対象製品の項目の中で、ケーキとビスケット(但しチョコレートがコーティングされてたり、チョコレートなどの味がするものは除く)は課税されないとあります。

『2. Confectionery, not including cakes or biscuits other than biscuits wholly or partly covered with chocolate or some product similar in taste and appearance』

 

これが、クイズのヒントです。 

 

ここで、前回出したクイズ(Jaffa Cakeは付加価値税が課税されているのか、それとも非課税であるか)の答えに移りたいと思います。

 

Jaffa Cakeとは、イギリス国内で販売されている、チョコレートが上にコーティングされた「ケーキ」です。前回の最後にのせたリンクを経由して実物の写真をみると、チョコレートビスケットにも見えます。

 

当初、英国政府はこの製品を(チョコレートがかかったビスケット)と見なし、17.5%の付加価値税をかけようとしましたが、製造元(McVities:イギリスの大手ビスケットメーカー)はJaffa Cakeはあくまで「ケーキ」であると主張し、非課税製品である主張したため、裁判にて判断する事になりました。

 

判決は、『Jaffa Cakeはケーキと見なされるので、付加価値税はかけられない』と判断したのです。よって、答えは『非課税』です。

 

では、裁判所ではどの様にしてケーキとビスケットの違いを明確にしたのでしょうか?

 

McVitiesは、裁判所に特大のJaffa Cakeを作って持ち込み、さらに「ケーキとビスケットを長期間放置したら、ビスケットは湿気って柔らかくなるけれど、ケーキは固まる」と言う定義を持ち込み、製品を見せて証明した結果、Jaffa Cakeはケーキとして認められ、付加価値税は免除されたのです。

 

会社にとって、売上げの17.5%が税金で支払われるか、そのまま売り上げとなるかの判断になるので、このような裁判は沢山見かけます。

 

一昨年と昨年にかけて(2008−09年)、日本でもおなじみのプリングルスが、Jaffa Cakeと非常に似ている裁判の判決があり、最初の判決ではプリングルスは付加価値税がかからない判決を出しましたが(news.bbc.co.uk/1/hi/business/7490346.stm: 英文)、その後上告されて、その後の判決では、最初の判決を棄却され、プリングルスは付加価値税が課税される事になりました。(www.guardian.co.uk/uk/feedarticle/8517270: 英文)

 

この事からも、食品と言っても、どんな物かによって17.5%の付加価値税がかかるかかからないかが、事細かく分かれているのが、イギリスの税制の一つと言えます。

 

皆さんも、イギリスに旅行された時にスーパー等で商品を購入する際、レシートを確認してみて下さい。どの製品が付加価値税がかかり、どの製品が非課税か書かれているので、すぐにわかると思います。

 

最後に、イギリスの新聞の記事から小ネタを一つ。

 

「イギリスのマクドナルドで、ミルクシェイクを飲み物にしてセットを注文し、持ち帰りにすると付加価値税はかからないが、コーラを飲み物にしてセットを注文し、店内で食べると付加価値税がかかります。」

 

参照元の記事の下の方に、付加価値税について知られていない15個の項目の内、13番目に書かれています!

参照元:thescotsman.scotsman.com/opinion/Oh-VAT-on-earth-.4722967.jp (英文)

 

 







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