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イギリスに滞在中のヴァージン特派員達が、イギリスの「今」の情報をお届けします!!

TARO プロフィール


ロンドンでの生活も早くも2年が経過。
英国の様々な事情が分かり、充実した毎日を過ごす。
そんな日々の生活から、新しい発見を中心にレポートします!

稲村 太郎
世界中からいろいろな人が集まるロンドンに夢見て、渡英を決意。
ロンドンのアートスクールで、アートマネジメントを専攻し、
現在、英国のカルチャー誌のアートエディターを担当。

英国で最も著名な彫刻家、ヘンリー・ムーアの回顧展が、2010年2月24日からスタートした。テート・ブリテンとしては、初の試みという、6ヶ月のロングランで、今回の展覧会にとても力を入れているようだ。

 

ヘンリー・ムーアは、「母と子」や「横たわる像」などの代表作に見られるように、女性の体をモチーフにした、有機的な流線美のある彫刻で広く知られている。日本でも、箱根彫刻の森美術館など、数多くの作品が紹介されており、一度は目にしたことがある人が多いだろう。

 

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Henry Moore

Reclining Figure 1939

Copy right: The Henry Moore Foundation

 

しかし、今回の展覧会では、今まで触れることの多くなかった、ヘンリー・ムーアの新たな一面を明らかにする試みが企図されている。

 

1898年に、ヨークシャーに生まれたムーアは、2度の大きな戦争を経験したという。18歳では、第一次世界大戦に徴兵され、毒ガスによる傷害を受ける。また、第二次世界大戦では、戦争画家として、空襲から逃げて防空壕や地下鉄に寝泊まりする人々を数多く描き、たくさんの兵士が倒れた戦場など、戦争の恐怖を目の当たりにしたと言われている。

 

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Henry Moore

Tube Shelter Perspective Liverpool Street 1941

Copy right: The Henry Moore Foundation

 

ヘンリー・ムーアは、彼の作品に何が影響を与えているかを多く語るタイプのアーティストではなかったようだが、この展覧会では、戦争による精神的な苦痛やトラウマがいかに影響を与えているかということが提示されている。

 

会場には、石、木、銅などを素材としてつくられた彫刻やドローイングなど、合計150点以上展示されており、ムーアの作品に触れたことのない人や熟知している人にも、見応えのある展覧会だ。

 

テート・ブリテン

2010年2月24日-8月8日

入場料:12.5ポンド

http://www.tate.org.uk/britain




2009年12月19日

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Mona Hatoum "Hot Spot" 2006

 

ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツで、地球環境をテーマにした展覧会「Earth: Art of A Changing World」がスタート。

 

コペンハーゲンでの地球温暖化対策を議論する国連会議の進捗状況が、連日、テレビ、ラジオ、新聞で大きく取り上げられてる英国では、ホットなトピックだ。

昨年、本誌のブログで紹介した「Cape Farewell」に参加したアーティスト、アントニー・ゴームリー、ソフィ・カロ、高谷史郎氏も出展。

 

「Earth: Art of A Changing World」は、アートを通じて地球環境の変化について考える絶好の機会だろう。

 

科学者が調査したデータをもとに議論されることが多いトピックだが、視覚に訴えるアート作品を目の前にすると地球で何が起きているのかがとてもリアルによく分かる。

 

 GSK Contemporary

「Earth Art of A Changing World」

2009年12月3日ー2010年1月31日

ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ

http://www.royalacademy.org.uk/




 

英国を代表するアーティストを数多く輩出しているターナー賞。日本でも、森美術館にて「英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展」(2008年)と題し、大きく取り上げられた。

 

2009年度のターナー賞の受賞者は、現在、テート・ブリテンで作品が公開されている4人の候補者の中から、グラスゴー出身の画家、リチャード・ライト氏(Richard Wright)と発表された。

 

リチャード・ライト氏は、テート・ブリテンの空間にインスパイアされたという壮大な壁画を制作。ルネッサンス期のフレスコ画の技術を駆使し、手作業で貼り付けられた金箔の抽象画は、何とも言えなく美しく、観るものの心を奪う。

 

しかし、テート・ブリテンの壁に直接描かれた作品は会期終了後に消されてしまうという儚い一面を持ち、アート市場への戦略的な介入を意識して制作をするアーティストへのアンチテーゼとも言われている。

 

つまり、メディアへの話題づくりを積極的に行い、アート市場で高額な価格で取引される作品と相反して、リチャード・ライト氏のフレスコ画は、展覧会に訪れた人々の記憶の中だけで生き続ける。

 

リチャード・ライト氏は、英国紙ガーディアンのインタビューに、「ダミアン・ハーストやトレーシー・エミンのようなアーティストとは、金銭的な意味合いから全く異なるものである。」と答えている。

 

現在、49歳のライト氏は、50歳以下という年齢制限のあるターナー賞への最後の挑戦を成し遂げた。

 

人目を引くような派手さがあるわけではないが、長い年月をかけて熟成したスタイルを確立したライト氏の獲得した栄光はとても価値のある尊いものに感じる。

 

昨今の経済事情で、世知辛い世の中であるが、リチャード・ライト氏の輝かしい成功にとても勇気づけられた一日であった。

 

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Richard Wright "no title" 2009 Courtesy the artist; Gagosian, London; The Modern Institute / Toby Webster Ltd, Glasgow and BQ, Berlin

Photo credit Sam Drake and Gabrielle Johnson, Tate Photography

 

リチャード・ライト氏の緊縛のフレスコ画は、2010年1月3日までテート・ブリテンにて展示。

 




テート・モダンのタービン・ホールにて巨大なアート作品を発表しているユニリーバ・シリーズが公開中だ。このユニリーバ・シリーズは、今年で10回目を迎え、ポーランドのアーティスト、ミロスワフ・バウカ(Miroslaw Balka)が起用された。

 

過去の歴史の中で、その時代を体験した人々の個々の記憶を呼び覚ますような作品を作り続けているミロスワフ・バウカは、このユニリーバ・シリーズで、第二次世界大戦中にドイツ軍がユダヤ人を収容所したガス室を思わせる巨大なブラックボックスを制作した。

 

 

約500人以上の人収容出来る鉄製のコンテナの中は、全くの闇の世界で、この中に入ると視界が奪われ、一歩一歩と足を踏む入れる度に不安や恐怖を感じる。過去の歴史の中で、監獄の闇の中に葬れた人々は同じような恐怖を感じたのかもしれない。

 

ミロスワフ・バウカは、歴史の本の中では語り尽くされることのないことを体験として伝えている。

 

ユニリーバ・シリーズ「How it is」は、2010年4月10日まで開催。

 

テート・モダンのホームページではミロスワフ・バウカのコンセプトを体験出来る。

 

Tate Modern

http://www.tate.org.uk/modern/exhibitions/unilevermiroslawbalka/explore/

 




英国は先週の土曜日でサマータイムが終了し、日本との時差が8時間から9時間となった。先週まで日の出の時刻は午前7時45分、日没の時刻は午後5時40分であったが、今週から日の出の時刻は午前6時45分、日没の時刻は午後4時40分になったので、夕方には真っ暗だ。

 

そこで、長い夜を楽しむために地上デジタル放送を導入することにした。

 

英国の地上アナログ放送は、BBCBBC2ITV1Channel4,Fiveの5チャンネルで、テレビのある家庭はTVライセンス(年間142.5ポンド:21,375円)を購入する必要がある。

 

これらの5チャンネルでも満足が出来るが、デジタルボックスと呼ばれる地上デジタル放送に対応するチューナーを購入するだけで、40以上のデジタルテレビ放送と20以上のデジタルラジオ放送を無料で楽しむことが出来る。

 

デジタルボックスは約20ポンド前後(約3,000円)で販売されており、家電の取り扱いのある大型のスーパーマーケットやディスカウントショップで購入することが可能だ。

 

テレビとデジタルボックスの接続にはアンテナコードとSCARTケーブルが必要で、多くのデジタルボックスにはアンテナコードは付属されているが、SCARTケーブルが付属されていないので、注意が必要だ。

 

英国の地上デジタル放送では、ニュース、ドキュメンタリー、スポーツ、映画、音楽番組などの地上アナログ放送にはない番組を楽しめ、また、英語のサブタイトルを表示する番組もあるので、英語の勉強にもなる。




テート・モダンでは101日から「Pop Life, Art In A Material World」と題した展覧会がスタート。

 

アンディ・ウォーホール、キース・ヘリング、ダミアン・ハースト、ジェフ・クーンズ、村上隆などなど、現代美術の教科書に出てくるようるな「今」の大御所のアーティストの作品を見ることが出来る絶好の機会だ。

 

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Jeff Koons  Rabbit 1986  © the artist

 

この企画展は、1950年代後半から60年代にかけて盛んに行われた現代美術のムーブメントのポップ・アートを、1980年代から現在に至るまで活躍するアーティストの作品の中から、その文脈を再考することを意図している。

 

「ポップ・カルチャー」と直訳すると大衆文化であり、マス・メディア・カルチャー、例えば、ハリウッド映画やポップ・ミュージックなどの影響に言及する展覧会を想像するが、この展覧会では、いかにアーティストがこのカルチャーを取り込み、そして、自己のブランドの構築にまで駆使している様子を読み取ることが出来る。

 

公開前日には、米国のアーティスト、リチャード・プリンスの作品で、ブルック・シールズの幼少期のヌード写真が、警察の指摘により撤去され、カタログの販売も中止になったと、早くも話題を呼んでいる。

 

2010117日まで開催予定。

 

Pop Life, Art In A Material World

Tate Modern

2009101-2010117

- 10:00-18:00

- 10:00-22:00

 

入場料 12.50 ポンド

 

http://www.tate.org.uk/modern/exhibitions/poplife/

 




英国で最大のデザインフェスティバル、デザインウィーク(Design Week)が開催された。

 

デザインウィークは、プロダクトデザインを中心としてグラフィックデザイン、テキスタイルデザイン、インテリアデザイン、店舗デザイン、デジタルデザインなど、世界中から多岐に渡るデザインが集結するフェスティバルだ。

 

フェスティバル期間中、ロンドン市内のいたるところでデザインイベントが行われているので、どれに参加するか迷うところであるが、100%デザイン、デザイナーズ・ブロック、テント・ロンドンなどが代表的なイベントなので、これらを中心にして計画を立てると良いだろう。

 

今年の注目のイベントは、英国のプロダクトデザインの先駆的存在のトム・ディクソン(Tom Dixon)がコンセプトを手掛けたショウケース。

 

映画「ノッティングヒルの恋人」で有名になったポートベロー・マーケットの近くにあるグランドユニオン運河に建設されたポートベロー・ドックで行われた。

 

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このイベントでは、トム・ディクソンのプロデュースする家具を中心にファッション、アート、建築に関連する約50組のプロダクションが参加しており、英国を代表するアーティスト、ジュリアン・オピーによるアートワークもあった。

 

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池の上に浮かべるフローティング・オブジェがとてもユニークだ。

 

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今週末はとても天気が良かったので、グランド・ユニオン運河を散策。

 

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The Dock (Portbello Dock)

http://www.portobellodock.com/thedock/pages/home.html















ロンドンはすっかり秋の陽気となり、すごしやすい日々が続いており、これから世界中から注目されるイベントが開催される予定だ。

 

サウスバンク・センターでは、ペスティバル(Pestival)という「アート」と「虫(Pest)」をテーマにした一風変わったフェスティバルが開催されていた。

 

日常生活では虫にはあまり良いイメージを持っていないのだが、世界の都市の蜂の数が激減しており、このまま、蜂の数が減っていくと、いつかは、人類の滅亡につながると聞いたことがある。

 

サウスバンク・センターでは、シロアリの巣からアイデアを得た巨大なインスタレーションなどのアート作品の他、都市と虫をテーマにしたレクチャーやワークショップが開催されていた。

 

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横浜のインターコンチネンタルホテルに全長50mの巨大なバッタを出現させたアーティストの椿昇氏も日本から参加し パフォーマンスを披露していた。

 

アートと虫の接点?と思っていたが、日本でも六本木ヒルズの広場に巨大なクモの彫刻作品(ルイーズ・ブルジョア氏)が設置されているなど、アートと虫には深い関係があるのかもしれない。

 

Pestfestival02

 

また、今週はイギリスで最も最先端の映像作品を集めたイベント「ワン・ドット・ゼロ(onedotzero)」が開催されており、これから深夜のイベントに参加予定。

 

その他、これから開催される注目のフェスティバルをピックアップしてみた。

 

ロンドン・デザイン・フェスティバル(London Design Festival)、

2009919日(土)-27日(日)

新進気鋭のデザイナーから巨匠のデザインまで、最新のプロダクトデザインが集結するフェスティバル。

http://www.londondesignfestival.com/

 

フリーズ・アートフェア(Freize Art Fair

20091015日(木)-18日(日)

世界中から約150のギャラリーが集まる英国最大のアートフェア

http://www.friezeartfair.com/




ロンドン南東部のデットフォードの若手ギャラリストの運営するベアスペース(Bearspace)のオープニングレセプションに参加。

 

Bearspace01

 

デットフォードはテムズ川の南部のグリニッチの隣に位置する街で、ロンドンの中でアートの名門大学の一つゴールドスミス・カレッジ(Goldsmith College)があるため、若いアーティストやデザイナー、ミュージシャンが多く住む地区として知られている。

 

近年、ダンスの教育機関ラバン(LABAN)の新しい施設やアーティストのスタジオのコックピット・アーツなどがオープンし、ロンドン東部のショーディッチ(Shoreditch)に次いで新しい芸術活動が盛んな地区だ。

 

ベアスペースは新進気鋭のコンテンポラリー・ア−ティストを中心に取り扱いギャラリーで、2004年にオープンした。

 

現在、開催されている展覧会、「The Kiss of A Lifetime」はアーティスト、マイク・シャベ・ダウソン(Mike Chavez-Dawson)がキュレーターとして100人のアーティストからキスをテーマにした作品を集めて展示している。
 

 Bearspace02

オープニングレセプションにはたくさんのアートファンが駆けつけた。

 

Bearspace

http://www.bearspace.co.uk/




2009年のターナー賞にノミネートされているロジャー・ヒオンズのインスタレーションがロンドン市内の住宅地にある集合住宅の一室で展示されている。

ロジャー・ヒオンズは1975年生まれのバーミンガム出身の新進気鋭の若手アーティストで、2003年にはテート・ブリテン「Art Now」に展示。

作品「SEIZURE」は、ジャーウッド財団とアート・エンジェルによるコミッションワークで、2008年の夏に公開され、今年、再公開が決定。

作品が展示されている一室の中に足を踏み入れると、そこには何とも言えない艶めかしい青の結晶で覆い尽くされた世界が広がっている。工業化の進んだ都市の地下の汚染が奇しくも魅惑の世界を生んでしまったような印象を受ける。

 

SEIZURE, Roger Hiorns 2

photo by Marcus Leith

ロジャー・ヒオンズは75,000リットルの硫酸銅を天井から室内に流し込み、それを再び吸い出して化学反応により壁、床、天井といたるところに青い結晶をつくったそうだ。
 

SEIZURE, Roger Hiorns, 1

photo by Marcus Leith

ちなみに、2009年のターナー賞にノミネートされたアーティストによる展覧会「The Turner Prize Exhibtion」は10月にテート・ブリテンで開催予定で、最終受賞者は2009年12月4日に発表される。

Roger Hiorns「SEIZURE」

2009年7月23日−10月18日 
月曜日−水曜日     休
木曜日−土曜日     11時−19時
日曜日        11時−17時

151 – 189 Harper Rd, London SE1
最寄り駅  Elephant & Castle駅もしくはBorough駅
 







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