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イギリスに滞在中のヴァージン特派員達が、イギリスの「今」の情報をお届けします!!

TARO プロフィール


ロンドンでの生活も早くも2年が経過。
英国の様々な事情が分かり、充実した毎日を過ごす。
そんな日々の生活から、新しい発見を中心にレポートします!

稲村 太郎
世界中からいろいろな人が集まるロンドンに夢見て、渡英を決意。
ロンドンのアートスクールで、アートマネジメントを専攻し、
現在、英国のカルチャー誌のアートエディターを担当。

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先日、テート・ブリテン(Tate Britain)で開催されたシンポジウム「Exhibitions and the World at Large」に参加した。今から20年前の1989年を一つの時代の分岐点と考え、Contemporary Artをグローバルな視点で考えるシンポジウムだ。

 

 

 

 

ドイツのドクメンタやイスタンブール・ビエンナーレでキュレーターを務めた南アフリカ出身のサラ・マハラジ(Sarat Maharaji)がシンポジウムの主旨を解説してくれた。

1989年、東西冷戦の象徴であった鉄のカーテンの幕が降り、東欧民主化革命の始まりとなる。そして、ドイツではベルリンの壁が崩壊。中国では天安門広場に学生を中心に民主化を唱える運動、第二次天安門事件が起きる。また、フランスでは市民社会の原理の基礎となるフランス革命200周年を迎えた歴史的に重要な年である。

日本では、昭和天皇崩御により新しい元号、「平成」が始まった。そして、急激に成長を遂げたバブル経済のさなか、盛田昭夫氏(ソニー会長)と石原慎太郎氏によって執筆された「NOと言える日本」が話題を呼んだ。著書の中で、国際社会の中での日本の自立や役割に焦点が当てられている。

シンポジウムでは、1989年に開催された3つの展覧会、「Magiciens de la Terre」(ポンピドゥー・センター:パリ)、「The Other Story: Afro-Asian artists in post-war Britain」(ヘイワード・ギャラリー:ロンドン)、「Havana Biennale」(キューバ)のケーススタディを紹介。かつての西欧美術至上主義的な立場から考察、判断された文化の解釈とは異なる見地からキュレーションされ、現在に至るまで数々の展覧会に影響を与えたとして議論された。

同じく、1989年に日本で開催された「Against Nature:80年代の日本の現代美術」展を思い出した。現在、森美術館の館長を担う南條史生氏と京都国立近代美術館の河本信治氏とアメリカ人キュレーター2人によって構成された展覧会だ。学位論文で取り上げたのだが、アーティスト、椿昇氏をアメリカ人のキュレーターが調査のために訪れ、その出会いにより日本の文化に抱いていた先入観が覆され、日本の現代美術に対する見方が大きく変わったと言われている。

このように、キュレーターは人々とアートとの出会いを手助けてくれる。日本でもキュレーターという言葉が非常に多く使われるようになったが、その言葉の定義は定かではない。サラ・マハラジは、「キュレーションは、単にアーティストから作品を集めて、それらをディスプレイするだけではない。その背景にある文化の意味や内容の成立する基礎を捉え、新しい知識として提示することだ」と語る。

国際化する社会を受け新しく考えられるコスモポリタリズムとは、文化の多様性の享受とはなどを考えさせられた。そして、新しい価値を生み出すContemporary Artと出会う楽しみが増えた。

 

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Photo Copyright: Tate







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