2010年1月11日
昨年、日本の政治は自民党から民主党に政権交代し、大きな転換を迎えたが、英国では、2010年に政治的な転機を迎えそうな気配がある。
英国の下院議員の任期は5年で、通常、任期満了前に議会を解散し、総選挙を行う場合が多い。前回の総選挙は2005年なので、今年が任期満了に該当し、2010年7月3日までに選挙が行われる予定だ。
現在の与党、労働党は、1997年の総選挙で保守党に18年ぶりに勝利して以来、政権を握っている。当時の労働党の若きリーダーのトニー・ブレア氏は、英国の古いイメージを払拭するために「クール・ブリタニカ」を旗印とする国家ブランド戦略を行い、また、「第三の道」と呼ばれる、保守派や改革派などの政治哲学にこだわることのない政策を打ち出し、保守党に圧勝した。
これ以降、2001年、2005年の総選挙と連続して完勝している労働党だが、今回の総選挙では苦戦を強いられそうだ。
「デーリー・テレグラフ」が委託した世論調査によると、労働党の支持率が30%に対し、保守党の支持率は40%で、保守党が優勢と言われている。英国の国民は、2003年よりイラク戦争に参戦した労働党に批判的で、また、長期政権の倦怠感から現ゴードン・ブラウン政権に疑問を持つ人が多く、若きエース、43歳のデヴィッド・キャメロンが率いる保守党が一歩リードしている。
現在、総選挙に向けて、保守党は、NHS(英国保健省)の改革をマニフェストの大きな課題の一つと発表しており、労働党は、教育の充実を軸に対抗しようとしている。
労働党は、1997年の選挙に勝利して以来、教育の充実に力を入れてきた。この背景には、サッチャー政権以降の保守党が市場原理を重視した政策を進めたために所得格差が拡大し、貧困層が拡大した。所得の少ない家庭の子どもは、裕福な家庭の子どもに比べて十分な教育を受ける機会が少なく、良い仕事に就く機会が少ない傾向にあった。そのため、労働党は、貧困層に金銭的な支援をする代わりに、社会に参加する意欲のある人に、教育や職業訓練などの機会の平等を与える政策を実施し、成果を上げてきた。
今後、どちらのマニフェストが英国の国民に響くのか、注目したいところだ。












