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イギリスに滞在中のヴァージン特派員達が、イギリスの「今」の情報をお届けします!!

TARO プロフィール


ロンドンでの生活も早くも2年が経過。
英国の様々な事情が分かり、充実した毎日を過ごす。
そんな日々の生活から、新しい発見を中心にレポートします!

稲村 太郎
世界中からいろいろな人が集まるロンドンに夢見て、渡英を決意。
ロンドンのアートスクールで、アートマネジメントを専攻し、
現在、英国のカルチャー誌のアートエディターを担当。

ロンドンは、やや肌寒いが春を予感させる晴天が続き、とても良い気候になってきた。

 

今週、ロンドンのバービカン・センターで、英国の現代音楽家、ニティン・ソーニーが、日本のサイレント映画、「夜ごとの夢」(監督・原作:成瀬巳喜男)にインスパイアされて作曲した音楽を、ロンドン・シンフォニー・オーケストラが演奏するという贅沢なコンサートに行った。

 

ニティン・ソーニーはインド系のイギリス人で、アジア、ジャズ、エレクトロニカなどの多種多様な音楽を融合させ、独特の世界観をつくりあげている音楽家と知られている。特に、そのバックグランドから、マルチカルチャリズム(多文化主義)をテーマにした活動を積極的に行っている。

 

コンサートは、大型スクリーンに「夜ごとの夢」が投影され、ニティン・ソーニーのピアノを中心にオーケストラが演奏するものであった。

 

「夜ごとの夢」は労働階級の葛藤を描いたサスペンス映画なのだが、労働階級の憂鬱を日本人とは異なる新たな視点で解釈し、作品へと昇華させたニティン・ソーニーの世界観に圧巻。演奏終了後、観客のほぼ全員が立ち上がり、歓声をあげるほどだった。

 

ちなみに、バービカン・センターでは、コンサートの他、演劇やダンスのパフォーマンス、展覧会など、たくさんのイベントが開催されており、現在、プロダクトデザインの巨匠、ロン・アラッドの個展が開催されている。

 

バービカン・センター

http://www.barbican.org.uk

 

 

 

 




英国で最も著名な彫刻家、ヘンリー・ムーアの回顧展が、2010年2月24日からスタートした。テート・ブリテンとしては、初の試みという、6ヶ月のロングランで、今回の展覧会にとても力を入れているようだ。

 

ヘンリー・ムーアは、「母と子」や「横たわる像」などの代表作に見られるように、女性の体をモチーフにした、有機的な流線美のある彫刻で広く知られている。日本でも、箱根彫刻の森美術館など、数多くの作品が紹介されており、一度は目にしたことがある人が多いだろう。

 

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Henry Moore

Reclining Figure 1939

Copy right: The Henry Moore Foundation

 

しかし、今回の展覧会では、今まで触れることの多くなかった、ヘンリー・ムーアの新たな一面を明らかにする試みが企図されている。

 

1898年に、ヨークシャーに生まれたムーアは、2度の大きな戦争を経験したという。18歳では、第一次世界大戦に徴兵され、毒ガスによる傷害を受ける。また、第二次世界大戦では、戦争画家として、空襲から逃げて防空壕や地下鉄に寝泊まりする人々を数多く描き、たくさんの兵士が倒れた戦場など、戦争の恐怖を目の当たりにしたと言われている。

 

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Henry Moore

Tube Shelter Perspective Liverpool Street 1941

Copy right: The Henry Moore Foundation

 

ヘンリー・ムーアは、彼の作品に何が影響を与えているかを多く語るタイプのアーティストではなかったようだが、この展覧会では、戦争による精神的な苦痛やトラウマがいかに影響を与えているかということが提示されている。

 

会場には、石、木、銅などを素材としてつくられた彫刻やドローイングなど、合計150点以上展示されており、ムーアの作品に触れたことのない人や熟知している人にも、見応えのある展覧会だ。

 

テート・ブリテン

2010年2月24日-8月8日

入場料:12.5ポンド

http://www.tate.org.uk/britain




もうロンドンに2年以上住んでいるが、なかなか、ネイティブのようなブリティッシュ・イングリッシュが身につかない。

 

ヨーロッパではイギリス英語がスタンダードという人もいるが、フランス出身の人はフランス語の特有のアクセントがあり、スペイン出身の人はスペイン語の特有のアクセントがある人が多い。

 

ロンドンで一番最初に覚えたのが、それぞれのアクセントに慣れることだった。

 

最近では、日常会話はなんとかこなせるようになってきたものの、アメリカに何年住んでいたの?と、たびたび尋ねられる。アメリカ英語で育ってきた日本人には、イギリス英語の壁は厚いのか、、。

 

でも、せっかくイギリスに住んでいるのだから、やっぱり身につけたいブリティッシュ・イングリッシュ。もう、タバコを買うときに、エッ?という顔をされたくない。そんなこんなで、このままでいいのか?という疑問が去年の年末から沸き始め、今年は、あらためて、ブリティッシュ・イングリッシュに挑戦することに。

 

いろいろとインターネットでブリティッシュ・アクセントについて調べてみたところが、なかなか良い情報が見つからなかった。そんなときに、たまため、立ち寄った大型の書店で一冊の本に出会う。

 

「Get Rid of Your Accent」。直訳すると、「あたたの(特有の)アクセントを解消します。」

 

早速、家に帰って、付属のCDを使って練習をしてみたのだが、なかなかポイントがつかめなかった。日本人の弱点と言われている、「L」や「R」の発音がクリアではないのは分かるのだが、見違えるように変化した感じがしないのだ。

 

そこで、この本の著者に問い合わせをしてみたところ、少人数のレッスンをしていて、まず、このレッスンでは、どのような発音の弱点があるのかを分析してくれるというので、参加してみることに。

 

1月からコースは始めまり、2月の中旬に終了したのだが、リスニングが非常に向上した成果を得た。近頃では、テレビやラジオから流れてくる英語の音がはるかにクリアに聞こえるようになった。

 

おそらく、耳の良い人は、生活しているだけで上達し、このような悩みはないのかもしれない。ブリティッシュ英語を話す人は、「can’t」を「キャント」ではなく「カーント」と発音するのというは有名だが、「go」や「home」などの非常に簡単な単語も、イギリス英語で正確に発音すると微妙に違うなど、コツが分かってくると、非常に面白い。一つ一つの単語を正確に発音していくと、自然とブリティッシュ・イングリッシュのようなイントネーションがつくれるような気がする。

 

もちろん、耳で覚えるのが一番なのだが、一度身に付いてしまった発音の癖を取り除くのには苦労する人がいるのであれば、BBCの英語学習のホームページを活用して練習してみることをオススメしたい。このホームページでは、発音する際にどのように口を動かしたらよいのかをビデオで紹介しているところが、オススメのポイントだ。

 

BBC Learning English

www.bbc.co.uk/worldservice/leaningenglish/grammer/pron

 




スコットランドの取材の準備のため、世界中の地図や旅行ガイドを取り扱う専門店、スタンフォードへ。

 

1853年に創業されたという老舗の地図専門店、スタンフォードは、コベントガーデンから徒歩5分の場所にあり、旅人の集まるスポットだ。

 

Stanford

 

地上1階、地上2階、地下1階の合計3フロアには、英国内の小旅行のための地図や旅行ガイド、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、アジアの地図や旅行ガイドなど、豊富な品揃えがあり、日本の旅行ガイドには載っていない情報を手に入れることが出来る。

 

地図を見ながら夢を膨らますのも、旅の楽しみの一つなので、店内の一人掛けの椅子に座って、ついつい長居をしてしまい、いろいろと買ってしまう。

 

取材の目的の地図とは別に、今年の春に挑戦したいスコットランドのウォーキングのルートを記した地図とフランスのモレスキン社(MOLESKIN)の出版しているシティノートブックのプラハ・ヴァージョンを購入。

 

このモレスキン社のシティノートブックは、主要都市部の地図と旅に役立つ情報を盛り込んだ手帳サイズのノートブックで、自分だけのオリジナルのガイドブックをつくることが出来る。旅の思い出や足跡を残しておくのに理想的な一冊で、現在、ロンドンを含む、ヨーロッパ、アジア、アメリカの主要都市をフューチャーしたノートブックが40種類以上も発売されているので、是非、旅のおともに。

 

 

スタンフォード(Stanford)

住所: 12-14 Long Acre Covent Garden London WC2E 9LP

URL: www.stanford.co.uk




チョコレートといえば、ヨーロッパではベルギーやフランスが本場だが、イギリスで厳選された素材でつくられた「モンテズマズ (Montezuma’s)」のチョコレートがおすすめ。

 

モンテズマズは、2000年に元弁護士のヘレン&サイモン・パティソン夫妻がイギリス南部のブライトンに1号店をオープンして以来、現在では、キングストン・アポン・テムズ、チチェスター、ロンドン、ウィンチェスターの合計5店舗を構える人気店となった。

 

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可能な限りのオーガニックな原材料を用いてつくられたチョコレートの種類は200種類以上あり、ライム&バニラ入りのチョコレートやゼラニウム風味のチョコレート、塩キャラメル入りのトリュフチョコなどの、他店とは異なるオリジナルレシピが豊富に用意されている。

 

パリッとしたチョコレートシェルに包まれたトリュフチョコが特にオススメで、ダークチョコレート派にはテキーラや唐辛子入りのパンチのきいたトリュフチョコを試してもらいたい。

 

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トリュフチョコは、一つから購入可能で、また、ギフト用のボックスも用意されているので、まずは味見をしてからお土産を考えてみてはいかがだろうか?

 

ロンドンの店舗は、リバプール・ストリート駅の近くにあるスピタルフィールズ・マーケットにある。

 

Montezuma’s

住所: 51 Brushfield Street, Spitalfields, London

URL: www.montezumas.co.uk




2010年1月17日

ロンドンは大雪が続いていたが、久々に今週の日曜日はとても良い天気で、気温も約10度まで上昇した。

 

今年は例年になく、寒い日が続いていたので、ストーブの前に座り続ける生活を送っていたが、今日はせっかく晴れているので、英国の日曜誌、「オブザーバー」で特集していたウォーキングの小冊子を手にとって、出掛けることにした。

 

この小冊子「Walk Yourself Fit」によると、英国の国民の約67%は、一日に約5,000歩前後程度しか体を動かしていないため、運動不足だと言われている。そして、英国内の17都市から合計20ルートが、5,000歩(4km)、7,500歩(6km)、10,000歩(8km)に分かれて特集されており、ロンドンのテムズ川沿いのコース、7,500歩(6km)を歩いてみることにした。

 

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まずは、スタート地点のMonumentへ。このMonumentは、1666年9月22日、ロンドンの大半を焼き尽くしたと言われる大火災を忘れないようにするために建てられた塔で、ここへは、Circle Line、もしくは、District Lineで行くことができる。

 

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そして、Monumentから、ロンドンブリッジの橋の近くにある、テムズ川の北側の遊歩道へ。

 

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この場所からはタワーブリッジを見渡すことが出来る。ここから、ロンドン塔を目指してテムズ川沿いを東に歩く。

 

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しばらくすると、ロンドン塔の入り口のすぐそばにある桟橋が見つかる。この桟橋へは、グリニッチやエンバークメントから定期船でもくることが可能だ。

 

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そして、ロンドン塔を通過して、タワーブリッジを南側に渡る。

 

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午前10時なのに、タワーブリッジにはたくさんの人がいた。

 

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タワーブリッジを渡ると、すぐその前に、英国を代表する建築家、ノーマン・フォスターの設計したロンドン市長舎がある。ここから、テムズ側の南側の遊歩道をロンドンブリッジ方面に歩く。

 

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ロンドンブリッジの手前には、大きなアーケドのヘイズ・ギャラリアがある。ここまでで、約30分ぐらいなので、カフェやレストランで一息も可能だ。

 

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そして、ロンドンブリッジを越えると、バラ・マーケットのすぐ隣に、サザーク大聖堂が見える。この大聖堂を通り過ぎてから、右に曲がると、再び、テムズ川が見えるので、道なりに進む。

 

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シェイクスピアのグローブ座を通り、テート・モダンの前のミレニアム・ブリッジを北側に渡る。ミレニアム・ブリッジは、ノーマン・フォスターが設計した全長325mの吊り橋で、これを渡るとセント・ポール大聖堂に行くことが出来る。そして、セント・ポール大聖堂から、再びテムズ川の北側の遊歩道を東に行くと、ロンドン・ブリッジまで行くことができ、約1時間の散歩コースは終了する。

 

普段見慣れているはずのロンドンの街並みの中にも、ゆっくりと歩いてみると、知らないことがたくさんあり、新しい発見をすることが出来た。ロンドンには約2年以上住んでいるが、まだ、訪れていない都市もあるので、この小冊子を持って、ガイドブックにはないウォーキングを楽しみたい。




 

昨年、日本の政治は自民党から民主党に政権交代し、大きな転換を迎えたが、英国では、2010年に政治的な転機を迎えそうな気配がある。

 

英国の下院議員の任期は5年で、通常、任期満了前に議会を解散し、総選挙を行う場合が多い。前回の総選挙は2005年なので、今年が任期満了に該当し、2010年7月3日までに選挙が行われる予定だ。

 

現在の与党、労働党は、1997年の総選挙で保守党に18年ぶりに勝利して以来、政権を握っている。当時の労働党の若きリーダーのトニー・ブレア氏は、英国の古いイメージを払拭するために「クール・ブリタニカ」を旗印とする国家ブランド戦略を行い、また、「第三の道」と呼ばれる、保守派や改革派などの政治哲学にこだわることのない政策を打ち出し、保守党に圧勝した。

 

これ以降、2001年、2005年の総選挙と連続して完勝している労働党だが、今回の総選挙では苦戦を強いられそうだ。

 

「デーリー・テレグラフ」が委託した世論調査によると、労働党の支持率が30%に対し、保守党の支持率は40%で、保守党が優勢と言われている。英国の国民は、2003年よりイラク戦争に参戦した労働党に批判的で、また、長期政権の倦怠感から現ゴードン・ブラウン政権に疑問を持つ人が多く、若きエース、43歳のデヴィッド・キャメロンが率いる保守党が一歩リードしている。

 

現在、総選挙に向けて、保守党は、NHS(英国保健省)の改革をマニフェストの大きな課題の一つと発表しており、労働党は、教育の充実を軸に対抗しようとしている。

 

労働党は、1997年の選挙に勝利して以来、教育の充実に力を入れてきた。この背景には、サッチャー政権以降の保守党が市場原理を重視した政策を進めたために所得格差が拡大し、貧困層が拡大した。所得の少ない家庭の子どもは、裕福な家庭の子どもに比べて十分な教育を受ける機会が少なく、良い仕事に就く機会が少ない傾向にあった。そのため、労働党は、貧困層に金銭的な支援をする代わりに、社会に参加する意欲のある人に、教育や職業訓練などの機会の平等を与える政策を実施し、成果を上げてきた。

 

今後、どちらのマニフェストが英国の国民に響くのか、注目したいところだ。

 

 




 

日本では、あまり聞き慣れない祝日、ボクシング・デー。英国では、バンクホリデーの一つの祝日で、12月25日のクリスマスの次の日がボクシング・デーと思っていた。

 

英国では、クリスマスの翌日から冬のバーゲンセールが一斉にスタートし、「ボクシング・デーから冬のバーゲンがスタートするよ」と誰かが言っていたような気がしたので、当然、12月26日がボクシング・デーだと思い込んでいた。

 

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ボクシング・デーの名前の由来は、クリスマスプレゼントをもらえない貧しい人のために教会が用意したプレゼントの箱を開けた日とされており、また、クリスマスにも仕事をしなければならない人が家族と過ごすことが出来るように休日になったと聞いていたので、クリスマスの翌日=ボクシング・デーという公式が頭の中にあったのだ。

 

英国のクリスマスは、ほぼ全ての交通機関がストップしてしまい、地下鉄やバスを利用してどこかに行くことは出来ないので、クリスマスの翌日の26日は、冬のバーゲンセールを目当てに人気のデパートやブランド店に多くの人々が行列し、街にはいくつものショッピングバックを抱えた人で溢れている。

 

しかし、何かおかしい。

 

今日は、祝日ではなく通常の土曜日の営業だという声が聞こえてきた。

 

クリスマスの翌日は、自動的にボクシング・デーだと思っていたら、土曜日や日曜日の場合、祝日のため月曜日に繰り越されるというのだ。

 

年末、最後の小さな発見であった。




2009年12月19日

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Mona Hatoum "Hot Spot" 2006

 

ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツで、地球環境をテーマにした展覧会「Earth: Art of A Changing World」がスタート。

 

コペンハーゲンでの地球温暖化対策を議論する国連会議の進捗状況が、連日、テレビ、ラジオ、新聞で大きく取り上げられてる英国では、ホットなトピックだ。

昨年、本誌のブログで紹介した「Cape Farewell」に参加したアーティスト、アントニー・ゴームリー、ソフィ・カロ、高谷史郎氏も出展。

 

「Earth: Art of A Changing World」は、アートを通じて地球環境の変化について考える絶好の機会だろう。

 

科学者が調査したデータをもとに議論されることが多いトピックだが、視覚に訴えるアート作品を目の前にすると地球で何が起きているのかがとてもリアルによく分かる。

 

 GSK Contemporary

「Earth Art of A Changing World」

2009年12月3日ー2010年1月31日

ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ

http://www.royalacademy.org.uk/




 

英国を代表するアーティストを数多く輩出しているターナー賞。日本でも、森美術館にて「英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展」(2008年)と題し、大きく取り上げられた。

 

2009年度のターナー賞の受賞者は、現在、テート・ブリテンで作品が公開されている4人の候補者の中から、グラスゴー出身の画家、リチャード・ライト氏(Richard Wright)と発表された。

 

リチャード・ライト氏は、テート・ブリテンの空間にインスパイアされたという壮大な壁画を制作。ルネッサンス期のフレスコ画の技術を駆使し、手作業で貼り付けられた金箔の抽象画は、何とも言えなく美しく、観るものの心を奪う。

 

しかし、テート・ブリテンの壁に直接描かれた作品は会期終了後に消されてしまうという儚い一面を持ち、アート市場への戦略的な介入を意識して制作をするアーティストへのアンチテーゼとも言われている。

 

つまり、メディアへの話題づくりを積極的に行い、アート市場で高額な価格で取引される作品と相反して、リチャード・ライト氏のフレスコ画は、展覧会に訪れた人々の記憶の中だけで生き続ける。

 

リチャード・ライト氏は、英国紙ガーディアンのインタビューに、「ダミアン・ハーストやトレーシー・エミンのようなアーティストとは、金銭的な意味合いから全く異なるものである。」と答えている。

 

現在、49歳のライト氏は、50歳以下という年齢制限のあるターナー賞への最後の挑戦を成し遂げた。

 

人目を引くような派手さがあるわけではないが、長い年月をかけて熟成したスタイルを確立したライト氏の獲得した栄光はとても価値のある尊いものに感じる。

 

昨今の経済事情で、世知辛い世の中であるが、リチャード・ライト氏の輝かしい成功にとても勇気づけられた一日であった。

 

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Richard Wright "no title" 2009 Courtesy the artist; Gagosian, London; The Modern Institute / Toby Webster Ltd, Glasgow and BQ, Berlin

Photo credit Sam Drake and Gabrielle Johnson, Tate Photography

 

リチャード・ライト氏の緊縛のフレスコ画は、2010年1月3日までテート・ブリテンにて展示。

 







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