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イギリスに滞在中のヴァージン特派員達が、イギリスの「今」の情報をお届けします!!

木島タイヴァース由美子 プロフィール


イギリス田舎周りとマーマレード作りを趣味とする。 人間より動物のほうが賢いと信じている在英年数30年以上の日本人。

英国でも最近フリーの新聞が増えてきました。ロンドンでは地下鉄の駅に積んであって、以前は地下鉄の中では皆お揃いで(?)、‘メトロ’というフリー.ペイパーを読んでいました。ところが最近英国の新聞の中でも伝統ある‘イヴニング.スタンダード’が突然フリーになってからは、地下鉄の中は‘メトロ派’と‘イヴニング.スタンダード派’、そして有料の新聞を読んでいる人と3グループに分かれています。‘イヴニング.スタンダード’は、以前有料だった時と同じく、ちゃんと人が手渡してくれるところにその違いはありますが。

 
さて今日は、買い物に行ったついでに大手スーパーマーケットのウェイトローズが出しているフリーペーパー‘ウェイトローズ.ウィークエンド’をいただいてきました。スーパーのフリーペーパーや、雑誌は数え切れないほどあって、結局は宣伝のためというくらいの感覚しか持っていなかったのですが、この‘ウェイトローズ.ウィークエンド’は違いました。私が以前から気にしていたことをこのスーパーが大々的に取り上げてくれたことで、今日一日がハッピーになったことは言うまでもありません。
 
 
 
 
 
 
私が気にしていたことというのは、オラングータンのことです。近年になって世界中のヤシの油(パームオイル)の需要が膨れ上がって、ヤシの木を植えるために、もともとそこにあった木を伐採しているというのです。伐採だけならそのスピードは少なくともある程度食い止められるかもしれません。でもそれでは、世界の需要に間に合わないために森林を焼き払っているのです。そのために森林で生活してる5000匹のオラングータンが毎年焼け死んでいます。もちろんこのままでいけば、この地球からオラングータンが消えてしまう日が近いのは目に見えています。
 
ヤシの油は、チョコレート、化粧品、アイスクリームなどスーパーで売られているものの50パーセントに使われているほどで、‘ウェイトローズ.ウィークエンド’には「何も手段を取らずにこのままいけば2030年までにヤシの油の消費は今の倍になる」と書かれていました。
 
以前、そのようなレポートを読んで私はあるチャリティを通して、母親が殺されてしまったオラングータンの子の里親になりましたが、個人個人の力ではとても足りません。もっともっと大きな力が動いてくれないことには....とずっと思ってきました。そしてついに、ウェイトローズがこれに乗り出したというニュースは、私の中の黒い心配事を光に変えてくれたような気持ちにしてくれました。
 
ウェイトローズはまず、ヤシの油を多く使っている石鹸とビスケットから始め、2012年までにはウェイトローズのブランド名が書かれている商品に関してはSustainable Palm Oil,つまり新たに森林を破壊せずに採るヤシの油だけを使うようにすることを約束しています。オラングータンの森林は、彼らのために残しておかなければなりません。
 
 
 
 
 
これまで、スーパーに行って買い物をする際、ヤシの油が使われていないものをなるべく買うようにしていましたが、これがとても難しく多くの場合は‘目をつぶって’買っていましたが、これからはもっと気持ちよくショッピングができます。そういうポリシーをもったスーパーでは少しくらい値段は高くても、他の無駄な買い物をしないで(実はこれが難しいことでもあるのですが)、その分ウェイトローズでショッピングする回数を増やすことにします。
 
なるほど。気がつけば、結局これが一番効果的なスーパーの宣伝なのかもしれませんね。



一昨年「イギリス人は甘いのがお好き」という本を出版させていただいて以来、そこにご紹介できなかったイギリス伝統のプディングのことをよく考えます。そのひとつがベイクウェル.プディングです。イングランド中部にある丘陵地帯はウォーカーたちのメッカです。そこにある小さな町ベイクウェルで生まれたこのプディングは今では英国人だったらほとんどの人が知っているという代物です。ベイクウェルの町に行けばあちこちで売られていますが、実はみんな見た目も違うし味も違います。

 

私が育った北海道の函館に‘酒饅頭’というお饅頭があって、小さい時は学校の帰りなどによく食べていました。今でも場所は変わったものの函館の酒饅頭は健在で、最近帰国した時も昔懐かしい味を大いに楽しんだことでした。 

さて、ベイクウェル.プディング((写真)のほうですが「名物にうまいものなし。」という諺は全く当てはまらないほど人気で、夏には一週間に1200個のベイクウェル.プディングが売られているそうで、訪れる度に買って帰るひとも多いとか。でもあちこちのお店で売られているこの名物は、一体どこが元祖なのでしょう?

 

 

このプディングが、ちょっとした‘アクシデント’から生まれたものという話は有名です。それは1860年ころのこと。町の旅籠ホワイト.ホース.イン(現在のRutland Arms Hotel 写真)を訪れる大切なお客様のために女将のミセス.グリーヴズが、料理人にストロベリー.タルトを作らせたのですが、その料理人は間違った方法でタルトを作ってしまいました。この「間違いタルト」にお客は大満足。ここまでは皆納得しています。さあ、問題はそこからです。

 

 

この「アクシデントで出来たプディング」のことを知ったろうそく屋のミセス.ウィルソン(写真)は「これはビジネスになる!」と感じたらしく、儲からないろうそくからプディングに乗り換え、ろうそく工場はプディング工場と化します。ここで問題なのは、ミセス.ウィルソンがどうやってそのレシピーを手に入れたかということだそうです。盗んだという説もあれば料理人にブライブを払って(日本では「袖の下」?)手に入れたという説も。とにかくミセス.ウィルソンのビジネスは大成功し、今ではthe Old Original Bakewell Pudding というお店になっています(写真)。

 

     

 

   

 

 一方、現在のBloomers Original Bakewell Pudding(写真)は、ミセス.グリーヴズがその遺書の中でレシピーをラドフォードという人に残し、それをブルーマー氏が受け継いだということを主張しています。ですからどちらも「Original」という言葉が名前に入っているのですが、これが要するに日本の「元祖」という意味なのです。

 

 

    

 

どちらが元祖か、私たちは知るよしもないことですが味が肝心です。実は私にも「こっちのほうがおいしい!」というのがあるわけですが、ここでは敢えて言わないようにしましょう。是非、皆さんご自身で試してから決めてください。Bakewell Pudding Factoryというお店もあります(写真)。

 

 

ちなみにベイクウェル.プディングとベイクウェル.タルトは同じと考えるひともいれば別物と主張しているひともいます。またベイクウェル.タルトショップというのもあるくらいです。どちらにせよ、ベイクウェルの町に来たら、この名物のオリジンを探れば益々わからなくなってくることは明らか。ですから味のみで好みのプディングを探すことのみ専念したほうがよさそうです。

 

下記の写真は現在のRutland Armsのクロテッドクリームとベリーが付け合わされたおしゃれなベイクウェル.プディングです。

 

 

 

 







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