イギリスに滞在中のヴァージン特派員達が、イギリスの「今」の情報をお届けします!!

木島タイヴァース由美子 プロフィール
イギリス田舎周りとマーマレード作りを趣味とする。 人間より動物のほうが賢いと信じている在英年数30年以上の日本人。

アールグレイ(グレイ伯爵))と聞けば皆さんは、あのバーガモットの香りの漂う紅茶を思い出されることでしょう。2代目伯爵は1830年から1834年まで首相を務めた政治家でした。このグレイ伯爵が、ハウィック.ホール(写真)の水に合うようにと、中国人のお茶商人に作らせたのがアールグレイ.ティーの誕生です。このお茶が評判がよく、ピカデリーのジャクソンという食料品店(トワイニングという説もあります。)で商品化されたのですが、その際、特許を取らなかったために、今ではいろいろなメーカーでアールグレイティーが販売されています。ここまでは紅茶好きな方ですと、聞いたことがある話でしょう。

先日、1319年からグレイ家の住居となっているハウィック.ホールを訪れました。現在は5代目グレイ伯爵の孫に当たるハウィック卿(写真)が住んでいらっしゃいます。彼はプラント.ハンターで、特に原種の木に興味を持っていらっしゃるために、世界中を周って種を持ち帰っています。そのために中国や日本にも何度も訪れています。

さて、そのハウィック.ホールで2代目グレイ伯爵(写真)についてのゴシップが書かれたものをいただいてきましたので、そのうちのいくつかを皆さんとシェアーしたいと思います。グレイ伯爵はイートン校(昔から王室や貴族の子弟が学ぶ学校)で教育を受けましたが、そこが大嫌いで、自分の子供15人は全て、自宅で教育しました。彼らは10歳の誕生日の次の満月の日には、真夜中に、屋敷から海岸へ続く道をひとりで歩き、その崖にしか見られないという花を持って帰ることを強いられました。これは暗闇に対する恐怖を取り除くためでした。

教育熱心な伯爵にも女性とのスキャンダルが。結婚前のことですが、お相手はデヴォンシャー公爵夫人のジョージアナです。彼女は当時、絶世の美女で社交界の華。今まで彼女に関する本は多く出版され、最近ではキーラ.ナイトリー主演で「The Duchess」という映画にもなりました。
ジョージアナとの間には子供ができましたが、伯爵が結婚するとすぐに、デヴォンシャー公爵は、その子を新妻のもとに送りました。「奥様。この子は私よりも、貴方のほうに属すると思います。」という手紙を添えて。これに対して、夫人は「チャールズ(グレイ伯爵)に属するものは全て、私にとっては心の底から大切です。」と答えたとか。因みにジョージアナとは一代目スペンサー伯爵の娘であり、元皇太子妃ダイアナの先祖にあたります。
ハウィック.ホールの建物は一般公開されていませんが、その庭(写真)は見学が可能です。ハウィック卿の好みらしく自然に、そして必要以上に人の手を入れず、森林園は、空まで大木の葉が生い茂る緑一色の世界です。もしザ.アールグレイ.ティーハウス(写真)でお茶を飲む機会があったら、是非グレイ家の人々の肖像画に囲まれたフォーマルな雰囲気の中で2代目伯爵とジョージアナの熱烈な愛と、貴族の鏡のようなグレイ伯爵夫人のことを思い出してください。


投稿時刻 07時41分
その他
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今日は夏至の日です。日照時間が一番長い日。驚かれるかもしれませんが、ロンドンは北緯51度32分です。日本の最北端の稚内が北緯45度31分ですから、ロンドンがいかに北にあるかがわかっていただけるでしょう。それでも気候が温暖な理由は暖流による影響です。
さて、そんなに北にある英国は、北欧の白夜とまでは言えませんが、夏場は9時を過ぎてもまだまだ明るくて、夕食後に「さあ、一日はこれから始まる。」と、ロンドンの公園ではジョギングをしたり、読書をしたり、犬と散歩をする人がいたり、と、それぞれロンドンの‘白夜’を楽しんでいる人を多く見かけます。
今朝は、4時58分に陽が昇りました。今は、朝の8時半ですが、青空に筆で表面だけサーっとこすったような白い雲があるだけで、極めて心地よい天気です。
夏至には毎年、世界中から大勢のひとがストーンヘンジに集まります。

5000年前に造られた溝と土手の中に3500年前に建てられたのがこの古代環状列石ストーンヘンジで、世界遺産にもなっています。この遺跡に関しては、「ドゥルイド教の神社であった」とか、「ヒーリングの場所であった」とか、「天文観測所であった」とか、色々言われてきました。建った理由や目的は何であれ、夏至の日にサークルの真ん中に立つと、サークルのすぐ外にあるヒールストーンという石と、更にその先に伸びるズィ.アヴェニューという道をつなげた直線の先端から、太陽が昇るというのは、偶然ではないでしょう。

ですから夏至の日には、ドゥルイド教信者や、昔でいうヒッピー、また単にストーンヘンジからの日の出を見たいという人たちが集まります。去年は3万人が、そして今朝は3万5000人が世界中から集まりました。この日だけ、普段は入場禁止のインナー.サークル(内側の円)への入場が許されています。大切な文化遺産ですので、アルコールに酔ったひとが、石を倒すまではいかないにしても、「石の保存に反する行為をしては大変!」と毎年、警察が出動しますが、今年は何事もなく、今、テレビでは家路に向かう人たちが写されています。

過去10年、夏至の時期にインナー.サークルを開放してきましたが、それによる石へのダメージはないことから、これからも毎年続ける意向と、ストーンヘンジを管理する保存財団のイングリッシュ.ヘリテージは言っています。人々を完全にシャットアウトしての遺跡の保存ではなく、こうやって開放して見せたりすることによって、私たちもストーンヘンジのみならず、他の遺跡保存の大切さをもっと身近に感じますね。
投稿時刻 16時55分
イベント(in UK)
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観光ガイドとしての私の仕事の中で、ガーデンツアーが一番多いのが6月です。毎年園芸に興味のある方から「イギリスの薔薇はいつごろが一番いいでしょうか?」とご質問を受けます。日本の桜のように‘さくら前線’というのがあればいいのですが、そういう便利なものがありませんので、答えに困ることがあります。春の気温や、雨の降り具合によって、その時期は毎年違うからです。今年はというと、例年より少し早い気がします。春の暖かかった気候のせでしょうか。
そこで、今日は昨日までのツアーで撮影した写真を見ていただいて、ヒントにしていただけたらと思います。ただ、たとえ薔薇の時期を逃してしまったとしても、その他の花の素晴らしさで十分満足していただけることでしょう。
スィスィングハースト.キャッスルは、ナショナルトラストのガーデンの中ではヒドコート.マナーのガーデンと並んで人気のあるところ。そのために時間制になっていますので、すぐに入場できない場合があります。1930年代に、作家のヴィタ.サックヴィル.ウェストと夫であるハロルド.ニコルソンが造ったガーデンですが、ヴィタが執筆活動をした部屋など、塔の階段を上って見学することができます。

12世紀に修道院として造られたモティスフォント.アビーのガーデンではオールドローズの研究家で知られるグラハム.トマスの薔薇のためにレンガの壁で囲まれたローズガーデンが造られました。その壁の中では、どこを歩いても薔薇の香りが空気中にみなぎっています。薔薇の時期は遅くまで開園していますので、時間を気にせずに楽しむこともできます。(下記)

コッツウォルズで人気のガーデンはヒドコートマナーとキフツゲートです。有名な‘キフツゲートの薔薇’はつぼみがまだしっかり閉じていて開花にはもう少し時間がかかると思いますが、芍薬がとっても綺麗で、その見事な色と形には足を止めてしばらく見入ってしまいました。

イングリッシュ.ローズの生みの親であるデイヴィッド.オースティンの庭は、いつもながらまるで薔薇の中にガーデンが造られているような錯覚に陥るほど、どこを見ても薔薇、薔薇、薔薇。
イングリッシュローズとは、昔のオールドローズの香りをそのままに、しかも一度だけ咲くのではなく繰り返し咲き、病気にも強いという正に薔薇愛好家が夢にみる薔薇です。ところがオースティン氏が1960年代にチェルシーのフラワーショーでそれを紹介した時は、誰も興味を示さなかったそうです。このガーデンに行くとほとんどいつでも、どこかで、オースティン氏を見かけますが、誰も気がつかないか、または気がついてもそっとしてあげているのか。写真を写す人もいません。というわけで私も、薔薇をとるような感じで控えめにパシャリ! ルネイサンスのガーデンのヴィラに座っているのがオースティン氏です。右は、今年の新しい薔薇3種のうちのひとつ‘ウェッジウッドの薔薇’です。


セント.オルバンにあるガーデン.オヴ.ローズィズの薔薇は以前より少なくなった気がしますが、オールドローズやモダンローズなど薔薇の歴史がわかるように植えられているのが特徴とか。

王立園芸協会の本部のあるウィズリー.ガーデンや、ヘンリー8世の宮殿として知られるハンプトンコート宮殿のローズガーデンは、今が見ごろでしたが、両方とも、薔薇以外に沈床ガーデン、プリヴィーガーデン(ハンプトンコート)のカラフルな花や、アルペンハウスのまるでミニチュアのような花のコレクション、モデルガーデン(ウィズリー.ガーデン)など見所がたくさんあります。


ここ数年、ガーデンのレストランやカフェの食事がとてもおいしくなってきています。特に野菜はサラダでも、温野菜でも新鮮さが伝わってくる上、料理の方法も工夫されていますので、是非お試しください。
投稿時刻 22時45分
カルチャー&アート
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ロンドンは、日本より頻繁に雨が降りますが、たいていは少し雨宿りをすれば晴れますし、降る量もとても少ないので、少しくらいはぬれても、皆平気で歩いています。
ところが、今朝は、雷を伴う豪雨。雨の音で目が覚めるということを経験したのは何年振りでしょう?雷も、ドッカーンと遠くで落ちる音が聞こえました。
でも今は、完全に雨も止み、すばらしく澄んだ空気にバラがうれしそうに太陽に向かって微笑んでいます。雨上がりの薔薇は格別です。
薔薇といえば、リージェンツ公園のバラは今が見ごろかもしれません。ロンドンでバラが見たいという方に、私はこの公園にあるメアリー女王のバラ園をお勧めするのですが、そこまで行くのでしたら、是非公園のすぐ北を流れる運河沿いを散歩してみてください。
グランド.ジャンクション運河から東のドックまで、品物を運搬するために1820年に造られたのがリージェンツ運河です。運河の横に作られたトウパスという細い道から馬がロープでボートを曳いていたのです。今は、汽車や、トラックなどがうんと速いスピードで運んでいますから、運河は、完全にひとびとのレジャー用に使われています。
ナローボートは、実際に住んでいるひともいて、お庭も見かけられます。
ティーショップになっているところもあります。

少し東に行けば、ロンドンとは思えない風景に出くわすでしょう。まるで250年前の世界に引き込まれた錯覚に陥るかも?

そして、更に東に行けば、キャムデン.ロックにたどり着きます。

まだまだエネルギーのある方は、若者で賑わうキャムデンロック.マーケットへ。ファッションもさることながら、世界中の食べ物が集まっています。(どう見てもチャイニーズ料理ですが、「ジャパニーズ.フードよー。」と客寄せしているところもありますが。)

一日のうちに、産業革命以前の古い英国と、その名残を今風に使って生活しているひとの暮らしと、そして国際都市として多民族化している今の英国を垣間見る貴重な体験ができるでしょう。
投稿時刻 20時54分
ロンドン情報
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