2009年4月12日
私たち観光ガイドは、お客様からの質問で今まで何とも思わなかったことでも、よく考えると、英国という国が、もっと見えてくるということがよくあります。
例えば、先日、日本からのお客様からこういう質問を受けました。「この国では、町を歩いていても、観光していても、住所とは関係ない数字があちこちで目に入ります。あれは何でしょう?」よくきいてみると、それはその建物なり、物なりができた年代のことなんですね。
例えば、チェスターにある時計台は、ロンドンのビッグ.ベンに次いで、よく写真を撮られる時計台ですが、ここにある1897というのは、この時計台がヴィクトリア女王戴冠60周年を記念して作られたことを示しています。

コッツウォルズにあるボートン.ハウスのガーデンには1778という年代が記されたガーデンファニチャーがあります。もっとも最初は、ガーデンファニチャーとして作られたかどうかは、わかりませんが。馬の水飲み桶だったのかもしれません。
ウェンドーヴァーの町の民家には、リフォームされた時につけた樋の水を流すための筒に1725の年代が見られます。
また、外で見られるものではありませんが、ヘンリー8世の2番目のお后であったアン.ブリン(最近の映画『ブリン姉妹』で日本でもお馴染み)が育ったヒーヴァー城には、彼女の父親の時代に作られた家具がありますが、そこにも年代が。

何故かな?と考えました。 それぞれのひとは、自分がその時に生きていたことをこういう形で、歴史の中に証拠を残したかったのでしょうね。その気持ち、わかる気がしますね。時々大聖堂の石の隠れたところから、中世に、工事に携わったひとの物と思われる靴などの個人の所有品が見つかったりします。これも、その大聖堂が造られた時に、自分が関わっていたのだという足跡を残したかったのでしょう。特に古いものを大切にするひとが多いこの国では、昔のひとの気持ちが今でも、しっかり生きていることは確かです。
次回、英国を訪れる方は、樋や煙突、建物の壁など、普段は、ただ通り過ぎるだけのものに、気をとめてみてください。そして、もし?と思うことがあったら、是非私たちに質問してください。お客様からの質問が、私たち観光ガイドの仕事にはかけがえのない情報資源につながるのです。












