2010年2月10日
ロンドンで一番賑やかな繁華街オックスフォード.ストリートからほんの少し北のマンチェスター.スクエアにあるのがハートフォード.ハウスです。といえばあまり馴染みがありませんが、この建物がウォレスコレクションのホームであるといえば「ああ。」とうなずく方も多いはず。

By kind permission of the Wallace Collection
美術館というよは、個人のお宅でゆっくり美術を鑑賞している気分です。もちろんそのお宅の主はとてつもなく大きな美術品の収集家である貴族かなにかではあるのですが。

By kind permission of the the Wallace Collection

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ウォレスコレクションはハートフォード子爵一族が5世代に渡って収集したものを1897年に国家に寄付したものです。個人から国家へ寄贈された美術品のコレクションとしては最大かつ最高級のもので、絵画ではレンブラント、ルーベンス、ティシャン(ティッツィアーノ)、ヴェラスケス、ブシェ、ワトーなどが名を連ねます。「微笑む騎士 Laughing Cavalier」のコピーは英国ではよく見かけるものでもオリジナルがここににあることを知る人は少ないでしょう。
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By kind permission of the Wallace Collection
この絵を描いたフランス.ハルスは1865年にこの絵がオークションに出る前は無名の画家でした。美術にはするどい感性をもっていた4代目ハートフォード子爵とこの絵を競り合ったのがロスチャイルド男爵でしたが、激しい競り合いに成功したのはハートフォード子爵でした。その値はなんと推定額の6倍だったといわれています。今ではフランス.ハルスは17世紀を代表するオランダの画家のひとりとして名を連ねています。
ジャン.オノレ.フラゴナール作 「ぶらんこ」はこれを模写したタペストリーをどこかで見かけた記憶があります。「マダムの乗っているブランコを司教が押して、私が下でマダムの足を見ている絵を描いてほしい。」といったのは、18世紀のフランスの宮廷に関わる匿名の男性だったそうでそれを注文された画家はあまりの不謹慎さに「スリッパを宙に飛ばせたらいい絵が出来上がると思うのですが。ただしそれには私より、もっと適切な画家がおりますでございます!」とその仕事を同僚のフラゴナールに譲ったとか。世間の目を気にしてのことなのか、それとも真に道徳心から出した決断なのかはわかりませんが。

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またセーブル焼きのコレクションも見事でルイ15世がセーブルの工場を訪れて直接購入したものなどが、ケースの中や家具の上に所狭しと並んでいます。その色の美しさに胸の鼓動が音をたてて感じられるはずです。

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今、ウォレス.コレクションでちょっとおもしろい『シーッ! それは秘密。』という展示会が行われています。セント.ヴィンセンツ.カソリック小学校の生徒が美術館の学芸員たちと共に企画した展示で、美術館が所有する絵や、彫刻、陶器の小物、家具などに隠された秘密を見つけて解説するという特別展示です。それは子供の目から見た興味の対象ではありますが、大人にとっても興味深いものばかり。

例えばコーネリアン石で出来たかぎたばこ入れです。1976年に発見されたのが箱に隠された2枚の小肖像画で、それは18世紀のフランスの文学者、哲学者であっヴォルテールとその愛人で数学者であり物理学者でもあったシャトレ子爵夫人のものでした。(写真)

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これらのコレクションが国家に寄贈される時の条件が、「コレクションのひとつたりともハートフォード.ハウスから持ち去ってはいけない。」というもので賃貸も許されていないのです。ですから、ここのコレクションはここでしか鑑賞できないと思えば感激もまたひとしおでしょう。30近いのギャラリーからなるコレクションを全てじっくり鑑賞するには一日を費やすことをおすすめします。そしてランチは中庭に造られた素敵な『ウォレス.レストラン』でいただけば文句なしの『素敵なロンドンの一日』を体験できるはず。帰途に着かれる際は募金箱に気持ちを残していくこともお忘れなく。こんなに素晴らしい美術館が無料だなんて申し訳ない気がするでしょうから。

http://www.wallacecollection.org/












