2009年3月1日
今日から3月。3月は、私の日常の行動が、完全に‘春’に切り替わる月です。冬の間、閉館されていた観光地がやっとオープンされる月です。秋に冬眠に入ったナショナル.トラスト所有の建物も、日にちはまちまちですが、この月に一斉にそのドアを開けて観光客を歓迎します。
気の早い私は、18世紀の銀行家であったチャイルド一族が、田舎でゲストを持て成すために建てた豪邸のあるオスタリー.パーク(Osterly Park) に行ってきました。今では高速道路がすぐ脇に通っていますが、当時は‘田舎’だったのです。ヒースロー空港からロンドンの中心に地下鉄で向かう時に通るピカデリー線の、Osterly Park駅で降りて徒歩10分以内。気軽に行けるお勧めの場所です。

建物はロバート.アダムがデザインしました。彼は、18世紀の新古典派の建築家であり、インテリア、家具デザイナーでもある多彩な人で、バースの町を流れるエイヴォン川に架かるパルトニー.ブリッジやロンドンのケンウッド.ハウスをデザインしたり、インテリアでは陶器で有名なウェッジウッドの、ジャズパーウェアを家具に使ったりして素晴らしい作品を多く残しました。オスタリー.ハウスはその中でも傑作のひとつで、『宮殿の中の宮殿』といわれたほどです。

18世紀といえば、上流階級の人々はとてつもなく贅沢な暮らしをしていた時代です。ガーデンに関しては、家からの眺めを堪能するために風景ガーデンというスタイルが流行ったり、「ポライトネス」という独特の振る舞い、マナーを指す言葉が誕生したのもこの時代。「ひかえめ」という言葉はこの社会の人々には存在しなかったような時代でした。この建物では、そういうひとたちに雇われていた使用人の生活も垣間見ることができます。
オスタリー.パークの建物やガーデンのオープンは3月4日オープンです。パークのウォーキングルートを示したパンフレットは無料で入手できます。上流社会の人たちのカントリーハウスの雰囲気を、遠く田舎に行かなくてもロンドンで味わえるという意味では、オスタリーパークは観光名所のハイライトに入れるに十分な要素がそろっています。












