2009年2月3日
旅行者がロンドンを歩いていると「えっ?なんでこんな壁がここにあるのかしら?」ということがしょっちゅうあると思います。近代的なビルが、古いレンガの壁に囲まれていたり。例えば1980年代に再開発が行われたドックランドです。昔、港に陸揚げされた商品が盗まれないようにと造られたレンガの壁は、歴史上大切なものとして、今でも保存されていますし、ロンドン塔の向かい側には西暦200年ころにローマ人によって作られたローマン.ウォールの一部が残っています。(写真)
でも、英国の壁で一番有名なのはなんといってもHadrian Wallでしょう。1987年にはユネスコの世界遺産に指定されました。2000年ほど前、ローマ人がドーバー海峡を渡ってブリテン島に侵入し、その後どんどん北上して、多くの町や村を征服していきました。ところがスコットランドまでは手がまわらなかったようで、今度はそのスコットランドから、当時住んでいたピクト人の侵略を防ぐために壁を築いたのです。これが、ヘイドリアン.ウォールです。ヘイドリアンとは当時の皇帝の名前ですが、現在イングランド北部ではこの壁づたいのウォーキングが盛んです。
でもなんといっても旅行者が一番頻繁に見かけるのは、田園の中、どこまでも、どこまでも続くDry Stone Wallでしょう。現存しているもののほとんどは、囲い込みの制度の行われた時代のものです。つまり18世紀、19世紀のものが多く、それまでは村人が共同で使っていた土地を地主が囲い込んで、一般人の使用を禁じるための壁として作られました。
現在、このドライ.ストーン.ウォール(セメントなどを全く使わず、石を積み重ねているのでこう呼ばれています。)は、石と石の間に住む野生動物や、昆虫の保護にも役立っていて、英国らしい風景を作っているだけではなく、自然保護に役立っています。












