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イギリスに滞在中のヴァージン特派員達が、イギリスの「今」の情報をお届けします!!

江國まゆ プロフィール


美味しいものとクラフト、ついでにロンドンの天気も大好きな在英編集者/ライター。ロンドン・ガイド『歩いてまわる小さなロンドン』を出版。
『江國まゆについて』

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今週は木曜日の夜に観たオペラのことを書きたたくて、金曜日にアップする予定がちょっと遅くなってしまいました。

 

 

1ヵ月ほど前、友人から「ロイヤル・オペラ・ハウスである『ドン・ジョバンニ』の安いチケットを入手したんだけど、いかが?」とのお誘いをもらいました。オペラ・ハウスにはあまり行く機会がないので、やれ嬉やとばかり、いそいそと出かけてきました。

 

 

当日、友人から渡されたチケットを見ると、そこにはチケット料金9ポンドの文字が! ロイヤル・オペラ・ハウスでのオペラ観劇で9ポンドは破格です。ロンドンで人気のディスカウント・オンラインショップであるラストミニッツ・ドット・コムで見つけたチケットだということでしたが、それにしても安いなぁと思いつつ、まずは腹ごしらえ☆

 

 

2010年に英国ロイヤル・オペラとロイヤル・バレエ団が日本公演を行ったときは、私も日本語版ウェブサイトのローカライズをさせていただくなど、仕事でお世話になった縁もあり、なんとかく親しみを感じているロイヤル・オペラ・ハウス。いつ来てもゴージャスさに圧倒されます!

 

 

whole view

 

 

全体が大きく吹き抜けになったバー&レストラン部分は、会場のある最上階から見ると圧巻。バーはスマートに着飾った紳士淑女たちであふれ、皆さん、ワインやシャンパンを手に鑑賞前の独特の高揚に浸っています。

 

 

bar1

 

 

bar2

 

 

ここでは軽食も娑婆の2倍はするという知識がありながらも(笑)、せっかくなので超高級サンドイッチを食することに。

 

 

sandwich

 

 

トリュフが香るエッグ・マヨネーズや、ロースト・ピーマン+ブラック・オリーブ+マスカルポーネ、そしてブリー・チーズ+グレープ・マスタードなど、ポッシュなベジタリアン・サンドイッチのセットは11ポンド。ま、場所代と思えば納得もいきます。

 

 

メイン・レストランとなるアンフィシアター・レストランでは、チケット保持者だけに向けたプレ&インターバル・シアター・メニューを提供しています。これは観劇前にスターターとメインの2コースを、インターバルの間にデザートを楽しむというロイヤル・オペラならではのサービス。一度試してみたいと思っているのですが、さて、いつになることやら。

 

 

menu

 

 

腹ごしらえが済んだら、いざ観客席へ。チケットを案内係に見せながら席へ行ってみると・・・9ポンドという破格のお席は・・・やはり破格の立ち見席でした(笑)。よくよくチケットを見てみると「Standing」と書かれてあったのですが、私たちは席に行くまで気づかず・・・とはいえ、せっかくなので楽しむにこしたことはありません。見え方に少し難のある場所から・・・立ち見で鑑賞開始! 

 

 

theatre1

 

 

やはり上流階級の社交場ということを実感せずにはおられない内装です。西洋文化の粋といってもよいのかもしれません。

 

 

theatre detail

 

 

私たちの席からは、ちょうど舞台前にあるオーケストラ部分が真上からはっきり見えました。ズームでパチリ。よりよい音響効果を確保するためか、床は板張りのように見えます。

 

 

orchestra

 

 

ドン・ジョバンニ」はスペインの伝説を元にしたモーツァルト作曲のオペラ。「ドン・ファン」といえば、現代では女ったらしを指すときに使う代名詞のようになっていますが、このドン・ファン伝説の元になった人物について描いた作品です。

 

 

ドン・ジョバンニは今風に言うと「セックス依存症」?という感じの人物(笑)。口八丁手八丁で女を口説くのはいいですが、貴族としての富と権力を振りかざし、モラルなしの価値観をゴリ押ししてしまう困ったお方。間抜けな従者とのやりとりはユーモラスで楽しいのですが、そこはカソリック国スペインらしく最後はドン・ジョバンニにも天罰が下ってしまうというストーリーは、いろんな階級の男女が出てくるところがなかなか興味深いです。

 

 

さて、前半が終わってインターバルに入ったとき、ある女性が「私はもう帰るから、チケットをあげる。よかったらどうぞ」といって座席のチケットを1枚くれたのです! 友人と顔を見合わせていると、彼女は自分も早めに帰ろうと思っていたのでどうぞ、と、そのチケットを私に譲ってくれて(感謝!)、後半はなんと、60ポンドの席で鑑賞することができました。

 

 

というわけで、モーツアルトの傑作と言われる音楽が鳴り響くなか、ドン・ジョバンニが地獄の業火に焼かれる劇的なラスト・シーンを素晴らしい席で鑑賞できて感動しました。(・・・・その60ポンド席の両隣には、かなり強烈な上流階級風のイギリス紳士、淑女が座っていて、あまり落ち着かなかったというおまけは付きましたが。)

 

 

とはいえ、久しぶりに来たロイヤル・オペラで、ふだんあまり経験しないアッパークラスな芸術から栄養を吸収させていただきました。オペラやバレエに興味のない層から取った税金も資金投入しているという批判も聞かれるものの、ヨーロッパの一国家として威厳ある歌劇場を維持することはおそらく必要なんでしょうね(もちろん、貧しい家庭から取った税金ではなく、メイン・ターゲットである富裕層からもっと寄付を集められるといいのでしょうが)。

 

 

私自身、今回は9ポンドという立ち見貧民席?から、60ポンドの普通席への劇的な飛躍を経験し(笑)、外国人としてふだんあまり意識したことのないイギリスのクラス制度を、ちょっぴり垣間みた気分になりました(150ポンド以上の特等席や800ポンド以上する貴賓席もあります)。でもオペラやバレエに興味のある旅行者の方であれば、ロイヤル・オペラ・ハウスでの観劇はとてもよい思い出になると思います。そこでは紛れもなく、成熟したある文化の一つの形を見出すことができるはずですから。

 

 

ticket

 

 

escalator

 

 

さて、数週間前に一度ご案内させていただきましたように、2011年2月から1年間に渡って書かせていただいたブログ「江國まゆのしぼりたてロンドン!」は、今回で終了いたします。1年間、お読みいただき、本当にありがとうございました。私自身、このブログでたくさんのことを経験させていただきました。感謝いたします。

 

 

今年からロンドン市内で配布されている日系コミュニティ紙で新しいコラムを連載しています。もしもご興味があれば、そちらもお読みいただけるとうれしいです。それではまた、皆様に様々な形でお会いできることを楽しみにしています!







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